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「9月ジャーナリズム」 深く歴史から学ぶこと

2020年9月18日 13時05分

日本は1931年9月18日に起こった満州事変で先の大戦への引き金を引き、ポツダム宣言受諾により45年9月2日の降伏文書調印を経て51年9月8日のサンフランシスコ講和条約調印で主権回復に道をつけた。破局の契機から戦後復興の足固めへと近現代史の転機が9月に多いため「9月ジャーナリズム」が提唱されている。

「八月や六日九日十五日」という俳句があるが、戦没者を追悼し戦争の惨禍を語り継ぐのが「8月ジャーナリズム」なら、大戦に至った原因の綿密な探究を踏まえた上で憲法に基づく平和な国づくりに資するのが「9月ジャーナリズム」ということになろうか。

その提唱者、佐藤卓己・京都大教授は本来、終戦は相手国のある外交事項だが、日本はポツダム宣言の受諾を翌日、玉音放送で自国民に伝えた日が終戦記念日で、玉音放送を終戦と結び付けた記念日設定は国際標準にそぐわないとする(『八月十五日の神話』)。米国など連合国の多くは日本の降伏文書調印の9月2日か翌3日を公式の対日戦勝記念日にしており、韓国の8月15日「光復節」は日本の植民地支配からの解放を祝う日だ。

日本の伝統的なお盆の法要も関係したようだが、ともあれ「内向き」の論理による終戦記念日でアジア諸国への加害責任や歴史認識の問題が「8月ジャーナリズム」から遠のいたことは否めない。

それに関して、先の天皇陛下は戦後70年の節目に当たる2015年の年頭所感(文書)で「この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切」と述べられた。

日本軍の謀略だった満州事変に年頭所感で初めて触れた上皇さまは2年後にベトナムを訪問し、フランス植民地下で独立運動を進めたファン・ボイ・チャウの記念館を訪れた時にも「歴史を知って、現在やこれからの在り方を知るのは大変大事なこと」と語られている。

チャウは日本を運動拠点にして深い縁を結んだが、日本は協約を締結したフランスの要求で1909年に彼を国外退去させている。辛亥革命を指導した孫文が晩年、神戸で行った講演の言葉を借りるなら、東洋の「王道」ではなく、西洋「覇道」の道を選び破滅した日本の近代史のひとこまにすぎないが、上皇さまはそんな歴史を熟知した上で発言されたのだろう。

今でも日本はアジアに「真の友人がいない」といわれることがある。もし「9月ジャーナリズム」が実現したなら、思索・検証すべき課題が尽きることはなかろう。

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