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オンラインの発信 宗教文化リテラシーの重要性

2020年9月25日 13時51分

今年に予定していた東京オリンピック・パラリンピックには、多くの外国人が来日するので、生きた日本の宗教文化を伝える機会にしたいという計画を持った機関が幾つかあった。文化庁も2016年に「京都宣言」を出し、オリンピック・パラリンピックは「文化の祭典」でもあるという認識を示した。

ところが新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、これらの企画は実現できなくなった。日本を訪れた外国の人たちに日本の宗教や宗教文化がどのようなものかを実際に感じ取ってもらう機会が失われたことは残念である。

19年に訪日した外国人は3千万人を超え、20年は4千万人を超えるかもしれないと予測されていた。しかし、一挙にその数は減った。今後どのように回復するか、見通しは立たない。

様々な面で日本も世界各国も厳しい局面に立たされているが、宗教文化の相互理解の重要性は、今後ますます増していくのは間違いない。対面の人的交流はままならないが、この状況を、オンライン技術を積極的に取り込んだ日本の宗教文化の発信法についてじっくり考える機会にできる。

教育の現場ではズーム等を使うオンライン授業が一気に広まったが、このほかに対面方式とオンライン方式を混在させたハイブリッド型の授業も導入された。ハイブリッド型の発信は、宗教系大学の博物館、宗教団体の付置研究所などでも活用が比較的容易だ。VR(バーチャルリアリティー)やAR(拡張現実)などの技術導入は費用面で課題が多いが、ユーチューブやズームを使うオンライン発信はさほど費用はかからない。

オンライン発信は、日常的な展示物公開とか研究会、講演会の類の開催とは大きく異なる要素がある。それは情報の受信者が一挙に増えるだけでなく、どのような人が受信するかの予測がつけられないということである。特に英語を交えて行う発信の場合、その情報内容については世界中からのチェックを受けると考えた方がいい。自国の宗教文化について紹介する場合であれ、他国の宗教文化について言及する場合であれ、注意しなければいけないことがある。

宗教についてのどのような発言内容、価値観が大きな問題になることがあるのか、テーマによっては少なくとも基本的なことを事前に調べておく必要も出てくる。これを宗教文化リテラシーと呼ぶなら、今の状況は宗教文化リテラシーを高めるための機会として使える。コロナ後を見据えた地道な活動だが、大事なことである。

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