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異なる原理 最善の交流の道を探るべき

2020年10月21日 13時40分

カトリックはプロテスタントや仏教、イスラーム、道教と共に中国の公認宗教の一つだが、正確には「中国天主教愛国会」が公認宗教で、バチカンが任命した司教の下で活動する地下教会は非公認、つまり弾圧の対象である。

中国天主教愛国会は中国仏教協会など他の公認宗教と同じく、共産党の中央統一戦線工作部(党外勢力との連携工作を担当)と国家宗教事務局の管轄下にあり、聖職者の人事は党と国家がコントロールしている。他方、カトリックは中世の叙任権闘争が示すように、司教などの聖職叙任権は教皇が持つというのが基本的立場だ。

ギリシャ語で普遍性を意味するカトリックという名乗り自体が、国境を超えた教会の権威を明示的に主張する。国法とこの普遍性の対立は現代でも様々な問題(例えば、日本の裁判員制度に関しては「過料を支払い不参加とすることを勧める」と日本カトリック司教協議会は発表している)を生み出すが、司教の任命権を俗権力と争わなければならないという事態は、さすがに日本では考えられない。

もっとも人権のような基本的価値でも国家・地域によって位置付けの差がある。西欧型民主主義国家との距離が比較的近いと思われる日本においてさえ、憲法に関し、自民党は「西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われる……こうした規定は改める必要があると考えました」(「日本国憲法改正草案 Q&A」)という議論を持ち出す。

政教関係の相違も同様で、教皇庁は司教任命問題では全く異なる原理と正面から取り組むことを迫られた。中国側が任命した司教を破門していた教皇庁は2018年に政府の司教任命を追認する暫定合意を中国と交わした。さらに、香港問題が欧米側から見て悲劇的展開を示す中、この9月には暫定合意を延長した、と伝えられる。

非公認教会の弾圧を避けるためか、高度に政治的な判断と言うべきだろう。国家と宗教の「価値」対立の調整という問題に還元して考えると、この政治的妥協は大きな影響を残す可能性が高い。

翻って私たちの足元を見ると、日本と中国の宗教交流は一時期に比べてやや下火の印象もある。「原理」の違いを認識させる行き違いも起きているが、中国の宗教者が日本の宗教界にとって重要な隣人であることには変わりない。双方が共有する課題と、異にする原理の問題を明瞭に意識し、両国の国民や宗教界にとって何が最善の交流の道かをこれから真剣に探る必要があろう。

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