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宗教縁の時代 キーワードはソロ社会

2021年1月20日 10時45分

コロナ禍の中、よく言われるのが社会的距離という言葉である。しかし、その内容からすれば、物理的距離と呼んだ方がより正確な表現だ。人間が社会的存在である以上、個人と社会とは切り離せない関係にある。人間とは文字通り人と人との間、つまり世間や社会というのが本来の意味であるが、現代日本語では一人でも人間と呼ぶ。これは人間学的に大切なポイントだと言えよう。

現在、在宅勤務や会食の自粛などで他人との接触機会が減ってきた。そんな中、一人でいることに注目が集まっている。一人で仕事したり余暇を過ごすことの意義を再発見できるようになったのは、コロナ禍の思わぬ効用であった。

これまで一人でいることには、お一人様とか独りぼっちとか言われ、孤独なイメージが付きまとっていた。一人で食事するのも「ぼっち飯」と呼ばれ、仲間がいないと見なされるのが嫌で、トイレで個食(孤食)するような人もいた。しかし今は違う。会食自粛の掛け声の中、堂々と一人で食事ができるようになった。最近では一人のことをソロと言い換え、昨年はソロキャンプという言葉まで流行語になった。キーワードはソロ社会である。趣味の活動などを一人で楽しむことにも評価が高まってきたのは良い傾向だ。

その一方で、人間にはつながりが必要である。同じ人間同士の横のつながりのほかに、神仏のような超越的存在との縦のつながりも大切なものだ。縦のつながりの中で、人は一人で神仏に向き合うことが求められる。神仏と静かに対峙することで、人生や生死の問題もおのずと深められ、救いの道筋も見えてくる。宗教の原点はまさにそこにあった。

この時の「一人」は、キルケゴールの言う単独者に近い存在になっている。また、単独者として互いに共鳴でき、いっそう神仏へといざなっていく導き手も必要である。それが宗教者の在り方であろう。そして、寺院や教会の役割とは、神仏を媒介にして人々が出会う場でもある。

今、人々が多数集まって、法会や礼拝に参加することが困難になっている。しかしオンライン化により、スマートフォンやパソコンのモニターを通じて檀家や信徒へと直接つなげる試みが行われている。それは寺院や教会のバーチャルな拡大である。そして、宗教者一人一人の役割が今以上にクローズアップされてこよう。コロナ禍の中で出現したソロ社会は、人々を神仏につなげ、宗教縁へと取り結ぶことができる絶好の機会であると言えないだろうか。

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