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デマ、虚言の拡散 危うい傾向には警戒を

2021年1月27日 10時44分

「綸言汗の如し」という言葉がある。王(天子)の言葉は、出た汗が体内に戻らないように、一度口から出れば取り消すことができないという意味である。中国の古典『礼記』に見える。特に、上に立つ者の発言の重さとして使われる。しかし、汗は体内には戻らないが、拭き取れば汗などかかなかったかのように振る舞える。そう考えているのかと思えるような、昨今の政治家の言説が目につく。言葉に重みがないどころか、虚言オンパレードに近い人さえいる。

ことの真偽というのはなかなか決め難い場合があるにしても、政治家や一部マスメディアの言葉はあまりにも軽い。言葉や文字の重みは、それを多くの人への発信手段として使う人が急増したせいか、現代では失われる一方である。

ツイッター上では虚言があっという間に拡散される。これまた有名な中国の故事に「三人市虎をなす」というのがある。市場に虎が出たというような、明らかにあり得ない話でも、3人が同じように言えば信じてしまうという心理をえぐった警句である。

SNS時代では、あっという間に何百、何千という人が虚言を拡散し、それを真に受ける人が続出する。1月6日の米国の議事堂での出来事に関しても、米国のデマをそのまま拡散した日本人が少なくないことに驚かされる。そこに大学教授や評論家と称する人たちも含まれる。いつの世もたわ言を言う人はいると、軽く考える事態ではない。さらに一部とはいえ、こうしたデマの拡散に組織的に関わっている宗教団体も存在する。

坂本堤弁護士一家はオウム真理教の幹部によって1989年に殺害された。坂本弁護士は出家した信者の家族の依頼でオウム真理教の実態を調べていた。当時オウム真理教の幹部だった上祐史浩氏が「信教の自由がある」と主張したのに対し、坂本弁護士は「人を不幸にする自由などない」と言って調査を続けた。そのために殺害されたのである。

これをかつて起こった例外的な話と考えていいものだろうか。信教の自由を虚言の拡散、さらにそれに基づいた暴力的行動の隠れみのにするような気配には敏感でないと、やがては宗教への評価全般に及んでくる。オウム真理教事件で宗教界の信頼は一気に落ちたことを思い起こせばいい。一部の極端な人たちの言動であり、自分たちには関係ないと主張しても、社会はそうは考えない。この傾向が拡大すれば、「宗教はアブナイ」という方向に行くのは目に見えている。何事にも初期の警戒が重要なことは、言をまたない。

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