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中外日報宗教文化講座2021
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宗教法人の活動 主たる目的と収益事業

2021年1月29日 10時06分

宗教法人法は第6条に「宗教法人は、公益事業を行うことができる」とし、それに続けて第2項で「その目的に反しない限り、公益事業以外の事業を行うことができる」と規定している。

宗教自体の公益性の議論はさておき、ここでいう公益事業とは宗教団体の主たる目的(宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること=同法第2条)以外の公益事業活動を指す。

例えば社会福祉法人の場合、やはり社会福祉事業のほか「必要に応じて」公益事業を行うことができるが、それは本来の社会福祉事業に対して「従たる地位にあることが必要」と「社会福祉法人審査基準」で定められている。宗教法人に関してはそのような規定はないが、これは宗教団体の本来の活動と「それ以外」の公益事業を法律では線引きできない、という事情があるのかもしれない。

一方、第2項の公益事業以外の事業(収益事業)に関しては、法人税法施行令で34業種が指定されており、そこから生じた所得は課税対象になる。また、宗教法人の「目的に反しない限り」というただし書きが設けられ、収益は当該宗教法人等や公益事業のために使用しなければならないという制約もある。

公益法人においては、公益認定法5条に収益事業比率は100分の49以下という量的目安が示される。宗教法人の場合は「従たる地位」のような量的規制があるわけではないが、収益事業の比重があまり大きいと、社会的な感覚にはやはり違和感を与えるだろう。

新型コロナウイルス感染症の拡大で、宗教法人も「主たる目的」である活動が大きく制約され、一方で宗教活動、収益事業ともに経済的影響が少なくなかった。経済的には宗教法人ごとに事情(拝観収入の有無など)が異なり、一概には言えない。しかし収益事業は、休業や事業撤退などが相次ぐ世間一般の事業者と同様の苦境にあると考えられる。宿坊などは利用者減の影響が直撃している。

コロナ禍による「新しい生活様式」に対応して、布教、教化、後継者育成などの宗教団体の「主たる目的」を推進する方法の見直しが迫られている。単なる緊急避難的な修正ではなく、オンラインなどで新たな可能性を開く領域も見えてきた。

一方で、収益事業についても見直す余地がないかどうか、チェックしてみてはどうだろうか。特に商業主義に近寄りすぎた部分などについては「主たる目的」を踏まえて修正の可否も考慮していいのではないか。

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