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脱炭素社会 人間の驕りへの警鐘を

2021年2月24日 16時04分

アメリカのバイデン政権が就任後初の仕事の一つとして気候変動に関するパリ協定への復帰を発表した。2015年に採択された同協定は地球温暖化の進行を抑制するため、温室効果ガスの排出削減目標策定を義務付けるもので、190近くの国、組織が批准しているが、アメリカはトランプ前大統領が一昨年11月に離脱を通告、1年後に正式離脱していた。

日本は「実現可能な削減目標」として、国内のCO₂など温室効果ガス排出量を30年度に13年度比マイナス26・0%の水準とする目標を立てている。一方、菅義偉総理は昨年10月の国会所信表明演説で、50年をめどに「カーボンニュートラルを目指す」と宣言した。温室効果ガス排出量から、森林などによる吸収量を差し引いてCO₂等の増加ゼロを達成するというわけだ。

一見何かが大きく進むようにも聞こえるが、総理の主張は「安全最優先で原子力政策を進める」ことが大前提になっている。福島原発事故後の現状では、老朽化していく原発の建て替えや新設はハードルが高い。しかし、あと30年で脱炭素社会を実現するとなれば、日本が技術実績を持ち、ゼロカーボンの原子力を頼るのは現実的な選択だ。むろん、その場合、放射性廃棄物処理をはじめ安全性の問題が立ちはだかる。そもそも福島の廃炉作業も進まないままで、ばら色の未来図を描けるのか。

SDGsは「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を目標の一つに掲げているが、原発による安定したエネルギー供給で当面の持続可能な社会を築くのはあり得ることかもしれない。しかし、根本的問題を解決しないまま、原発復権を既成事実化してしまうことになる。「カーボンニュートラル」は政治スローガンとすれば響きはいいが、中身をよく調べておかねばならない。

そもそも、自然を征服して人間だけが恒久的に繁栄を享受するのは可能なのだろうか――というところまで戻って考えてみたい。人類文明自体が、今、地球の歴史上6回目の「種の大絶滅」を引き起こしつつあるとの説もある。グローバル化のただ中で起きた新型コロナウイルスの災禍は、自然に対し圧力を高める人類文明の弱い部分に自然が反攻を加えたという見方もできるだろう。

自然の中における自らの位置を見失うと危険である。SDGsについて、とりわけ宗教者が貢献を考えるなら、自らの位置を見失った人間の驕りそのものに反省の目を向け、警鐘を鳴らすことも必要ではないか。

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