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食品ロスを減らす 資源を大切にする生き方

2021年2月26日 11時19分

世界の食料廃棄量は年間13億㌧と推計され、また人の消費のために生産された食料のおよそ3分の1が廃棄されているという。農林水産省によると、日本国内の食品ロス量は年間643万㌧(2016年度推計)で、そのうち家庭系が291万㌧を占める。家庭から出る食品ロスは、食べ残し、野菜の皮を厚くむくなどの過剰除去、期限切れ等による直接廃棄である。

2015年、国連総会は「持続可能な開発目標」(SDGs)を打ち出した。17のグローバルな項目の中に「持続可能な生産消費形態」の確保を掲げ、30年までに世界全体の1人当たりの食品廃棄物を半減させ、生産・サプライチェーン、つまり製品が消費者に届くまでの過程で食品の損失を減少させることを目標としている。我が国でも関連業界の食品ロス削減への取り組みが注目されている。

新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店などの需要が激減した。食品メーカーや食材卸売り会社などが抱えた在庫を安価に、また再利用して販売すれば、捨てられる食品が新たな価値を生む。過剰在庫と大量廃棄の問題を解消したい生産者の意識と、良い物を適正な値段で手に入れたい消費者の要望をマッチさせれば、食品ロスの削減につながるというのがその発想だ。

だが、我が国の食事情は、生産者の経営意識だけでは解決できない状況にある。食料を海外からの輸入に大きく依存し、食費が家計に占める割合は高く、子どもの貧困は深刻で7人に1人が貧困状態にある。こうした問題に、宗教者は啓発的な行動を示せるのではないか。仏教は過剰な所有を戒める「小欲知足」を説いてきた。物を大切にする教えや「もったいない」という考え方は現代の寺院生活にも生きている。

永平寺参道の石柱に刻まれた「杓底一残水 汲流千億人」の文字は、道元禅師が仏前に供える水を門前の川から柄杓でくみ上げ、使わなかった残水を元の川に戻したという逸話を示す。僧堂の食事は「心を養う薬」とされ、家庭では捨てられる野菜の葉や根も生かした精進料理を頂く。

お寺のお供えを仏様からの「おさがり」として、食事に困る子どもたちへ「おすそわけ」する僧侶の活動などは、「いただき過ぎたお供え物を無駄にしない」という発想から始まったもので、仏教者による資源を大切にする生き方の現代的実践と言ってよい。仏教界からの提案として、積極的な情報発信を行うことには大きな意義があるだろう。

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