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求められる継続性 震災10年の被災地支援

2021年4月16日 10時04分

東日本大震災と原発事故発生から10年が経った。だが、道路や施設などのハード面の復興は目につく半面、国の補助金など多くの支援が打ち切られる上にコロナ禍が追い打ちをかけ、被災者の生活再建は遠い。また癒えない悲嘆や復興に取り残される孤立感を抱える人も多く、相次ぐ自死も深刻だ。この国全体をなお揺るがせている空前の大きな困難に今後も向き合うため、宗教界にしっかりとした支援の継続性が求められている。

義援金活動は今も行われているが、震災数年後まで各地にあふれたボランティアの姿は激減し、当初は多くの人的物的援助を続けた各宗教教団などの組織的支援も多くが終了している。そんな中で、例えば関東の僧侶グループが拠点を設け、定期的な傾聴活動などを通じて困窮する被災者の「心のケア」を続けるケースがある。

また近畿のキリスト者や僧侶のグループは、当初の瓦礫撤去や炊き出しなどの緊急援助でつながりができた宮城県石巻市へ100回以上もボランティアを派遣し続けている。現地で住民が参加する様々な行事を催したり、農業支援で収穫した米を関西で販売したりするなど、長続きできる仕組みをつくり上げつつある。派遣報告を定期的に機関紙に掲載し、震災の記憶の風化防止にも役立っている。

震災発生から長期にわたって食料や物資の配給活動を繰り返し続けた新宗教のボランティアグループは、被災者から「『また来る』と言って本当に来たのはあんたたちだけだ」と感謝され、深い付き合いができた。中には支援に入った先に定住した宗教者もいる。同県気仙沼市へ宗門関係のボランティア団体の一員として入った中部地方の僧侶は、3年目に宗門から派遣終了・撤退の話が出たのを機に地元に残ることを決断した。

一方で岩手の住職が熊本地震の被災者を支えに、また宮城の住職が豪雨災害地の救援に赴くなど、被災地の宗教者が他の被災地を支援する例もある。いわゆる「恩送り」とも言えるが、この10年間にそれぞれの場で目覚ましい働きを見せた宗教者たちは、実はずっと以前から地元地域の諸問題に取り組んできた姿勢があったからこそ「非常時」にそれが発揮された。

コロナ禍で貧困や自死、差別などの困難は、「実際は災害と同様に苦難が山積する日常」の全国の「被災地」に広がっている。前記の定住僧侶を突き動かしたのは、地元の人々との交流で仏教者としての生き方に学びを得たことだった。かつて「震災から多くの事を学んだ」と表明した教団、宗教者が真価を見せるのはこれからだ。

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