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多様性の尊重 標準を押し付けない社会

2021年4月23日 12時30分

日用品・食品など消費財の世界的メーカーであるユニリーバ(本拠はイギリス)が先頃、美容クリーム等のパッケージや広告から「ノーマル」という表示をなくす方針を発表した。

「ノーマル」は「標準」と訳され、基準、普通、平均的などの意味で使われるが、「正常」と「異常」の価値判断もそこに付随することがある。多様性(ダイバーシティ)の尊重という社会的要請に応え、価値感覚の変革を促すという狙いだろう。営利企業に関してもその本業の活動を通じた公共的役割は期待される。このような意識で製品名や広告を見直す同様の動きはグローバル企業を中心に広がっている。

ユニリーバがイギリス、アメリカ、インドなど9カ国で1万人を対象としてアンケート調査を実施したところ、回答者の約60%が「ノーマル」という言葉からは、外見の理想を押し付けられていると感じる、と答えたという。一つの「標準」が社会に示された場合に、自分はその基準に合致しておらず、社会から排除されていると感じる人があり、「ノーマル」という言葉にネガティブな印象を持つ人も多かった。

「標準」「ノーマル」とはそもそも何か、と突き詰めて考えると、誰がその基準を決めるのかという問題に行き当たる。物事を一つの価値観、一つの視点で見て判断するならば、その判断基準から外れるものは自然と排除されていく。私たちはその弊害を多く経験してきた。

多様性の尊重は、標準を押し付けたり排除するものをつくらない考え方であり、多様なものを受け入れることで、相互に影響を与え合う環境が形成され、多様な文化の開花に資する力が生まれてくることが期待されている。

ユネスコは2001年に総会で「文化的多様性に関する世界宣言」を採択した。宣言は第1条に「生物的多様性が自然にとって必要であるのと同様に、文化的多様性は、交流、革新、創造の源として、人類に必要なものである」と記し、「文化的多様性は人類共通の遺産」であるとして、その重要性の認識を求めている。

最近はニューロダイバーシティ(神経学的な多様性)が注目されている。自閉症や神経障害等についても神経多様性として尊重すべきだとの主張だ。ただ、これに対しては「症状や体験を過度に一般化し、私の苦悩を軽視している」との批判もあるという。多様性の尊重について、人類の持続的共存の視野で考えてみる必要があるだろう。

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