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コロナ下の行動 問われる良識に基づく自律

2021年5月7日 11時24分

我が国に新型コロナウイルス感染症が侵入してからもう1年3カ月以上になる。これまで日本の感染状況は他国と比べ比較的低かったが、楽観できる状況ではない。

気になるのは感染者数の波で、今は第4波に入った。第1波は昨年3月末に上昇し始め4月末にピークに達した後減少に転じ、5月末にはゼロに近くなったが、夏になると再び増加傾向に転じた。第2波のピークは8月初旬で9月下旬には一応収まるが、10月になるとまた緩やかな増加傾向に転じた。11月から12月にかけては増加が著しく、統計上では今年1月7日から9日には東京で1日2千人、全国で7千人を超える事態となった。2月は低水準の感染が続いたものの、3月になると増加傾向となり、現在は大阪をはじめ各地で増えている。

感染の波の原因は明らかである。感染が増加すると緊急事態宣言等が出され、人の移動と集合の自粛が求められ、店舗の営業時間も制限される。すると感染は減少するのだが、制限が解除されるとたちまち増えだす。ウイルス感染症は暴風や地震とは違い、収まってきたからもう大丈夫というものではなく、気を緩めればたちまち増えることは分かりきっているのに、国や自治体から指令が出れば感染者は減り、解除されれば増える。

ここで視野を転じて法律と倫理の関係を考えることもできるだろう。法律の場は国家だが、基本的な倫理には個人性と共に人類的普遍性がある。倫理は誰かが決めて発布したというものではない。他律的強制ではなく、自己規律である。例えば詐欺は刑罰の対象になるが、「嘘を吐いてはいけない」という命法は法律ではなく倫理である。一般に悪意は、それだけでは刑罰の対象にならないが、倫理的には問題になる。

つまり倫理は限界がない内面の事柄であり、法律や条例とは違い、共同体の決定に基づく他律ではなく、社会の秩序と安全を守るための、良識に基づく良心的な自律である。感染防止について、政府からの宣言は遅過ぎ、解除は早過ぎるとは、よく指摘される。だが、もし国民が倫理的であれば、国や自治体からの要請がなくても危険な行動は自粛するはずだ。

「感染しない、させない」配慮は公衆衛生上の心掛けだが、現在ではむしろ社会倫理である。国のGoToキャンペーンに促されるまま、自律を欠いてもっぱら他律的に行動したのは、近代以前なら秩序を守るため必要だったかもしれない。だが、現代では社会の方向を誤らせるものだろう。

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