PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報宗教文化講座2021
PR
中外日報宗教文化講座2021

経済最優先主義の闇 現代にこそ語るべき真実

2021年5月21日 11時21分

近代、国民国家が形成された後、国家の安全と繁栄を保障するためには領土が必要だと考えられ、先進国の間で植民地争奪と軍備拡張の競争がなされ、ついには2度の世界大戦に至り、死者は約1億人に及んだ。傷者はその数倍になるだろう。それでも軍備拡張は終わらず東西2陣営の核兵器開発競争に発展し、その後も支配地域を巡る紛争は絶え間がない。

さすがに武力が国の繁栄をもたらすとは限らないことが、例外はあるが、国際的通念となりつつあるように見える。他方、現代を特徴付けるのは経済成長競争で、それは自由競争が世界化したこともあって、一層激しさを増しているように思われる。しかし、経済成長もまた必ずしも人類社会のためにならないことが見えてきた。

それは実体経済をバイパスした金融資本の肥大化、富の偏在と経済的格差増大、自然環境の汚染と生物の大量絶滅、さらに危険なほどの地球温暖化をもたらした。通信の発達は詐欺をはびこらせ、巨大都市と交通網が感染症蔓延の温床になることも明らかになった。

何より経済偏重はどれだけ人心の荒廃を招いていることか。問題は資本主義だけではなく、世界的な経済最優先主義にある。古来、世界の終末が幾度も予言されたが、それはありそうもないと考えられ、実際終末は到来しなかった。しかし現在では、もしかすると人類の終末は本当に来るかもしれないと感じられ始めたようだ。

社会の安全と繁栄は単一あるいは突出した原因によるのだろうか。仏教は因縁の理を説いてきた。出来事は直接的原因(因)と間接的原因(縁)の全てが揃って起こる。つまり単一の原因はないということだ。これは現代にこそ必要で、十分通用する理論である。キリスト教は愛を説いてきた。教会主義的になったキリスト教では、異教徒が愛の対象から外されたことがあるが、本来は無差別また無償の愛だ。これらの教えは近代文明の批判にもなる。

しかし一般社会がこれらの教えを重視したとは言い難い。要するに無視されたのは、宗教の影響力が低下したからだろう。宗教はその根本にある真実、現代にこそ語られなければならない真実を、相変わらず伝統的な言葉、現代人には納得も理解もし難い言葉で語っている。真実は不変だといっても、伝統的な表現を超えて、真実そのものを説得力のある言葉で現代的に語り直すべきである。

それは不可能ではないはずだ。宗教には現代に通用する内容が十分にある。宗教は本気で教説の自己革新を行うべきではないか。

コロナで相談急増 自死念慮者支える現場6月11日

和歌山県で自死念慮者の相談を受け、保護する取り組み「いのちの電話」を長年続ける白浜バプテスト基督教会の藤藪庸一牧師から、コロナ禍の影響で相談が倍増しているとの知らせが来た…

時の記念日 時間を尊び、守り、活かせ6月9日

6月10日は「時の記念日」である。国民の祝日ではないが、日本の記念日として大正9(1920)年に制定されてから今年で101年になる。天智天皇10(671)年の4月25日に…

宗教施設の存続問題 法人解散も念頭に6月4日

日本では、伝統仏教の寺院の大半は世襲制である。新宗教の教会や布教所にも世襲化された所が多い。そこでは、宗教施設を支えるのは寺院家族、教会家族である。家族が弱体化しているの…

可睡斎斎主に采川氏 24日に退董式と入寺式

ニュース6月11日
北野天満宮の楼門に滑車を使って茅の輪を取り付ける神職ら

例年より早く茅の輪を設置 北野天満宮

ニュース6月11日

次期執行長に今川氏当選 初の公選高投票率、安藤氏・岡部氏破る 高野山真言宗

ニュース6月11日
お知らせ
このエントリーをはてなブックマークに追加