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被災地支援の今後 まず相手の気持ちを

2021年5月26日 13時29分

「やはり風化は避けられないのか」「被災地は忘れ去られていくのですね」。東日本大震災10年の日から月日が経ち、現地の宗教者からこんな便りが来た。

この3月11日前後には各地の慰霊の催しなどに外部からも多くの人々が訪れ、マスメディアの報道も相当な量だった。だが、「その日」を過ぎると目に見えて少なくなり、例えば宮城県でも追悼と見学のポイントとして定着した南三陸町の旧防災対策庁舎、石巻市の大川小の廃虚などは閑散としているという。

ある意味では同じ“災害”であるコロナ禍に隠れて、地元メディアや一部の報道以外のテレビや新聞では、ニュースとして扱われることもかなり減っているのは明らかだ。

原発事故で住民が戻れない福島県の寺院住職は「毎年3月にはマスコミが津波のように押し寄せ、終わると津波のように去っていく。でもこれからはどうなるのでしょうか」とやりきれない表情を見せる。

世間が震災のことを口に出さなくなっていくこれからこそが、なお悲嘆を抱え、また生活再建がままならず「置き去り感」に苦しむ被災者たちへの息長くきめの細かい継続的支援が求められる時期だ。だが、具体的にどんな寄り添いが必要なのか、どのような姿勢で接したらいいのか、支援の在り方は簡単でないことも事実だ。

被災各地では、以前から地域の住民に接して世話をしていた地元の宗教者らが、震災後もずっと人々の困り事の相談に乗ったり日常的に集まって楽しむ場を設けたりと、地道な活動を続けている。外部から訪れて傾聴活動や折々のイベントを催すのも結構だが、そこでこれら地域密着の働きに学ぶのも大事なことだろう。

岩手県の寺院住職は、遠方からイベントで支援に来てくれた人が、「被災者はこうに違いない」という先入観を持ち、「こうすれば喜ばれるに違いない」という自分勝手なステレオタイプの思い込みで接してくる例を何度か見ているという。

「それでも被災者は『ありがとう』と言うしかないのです」。そう指摘する住職は「あなたは何に困っているのですか、何が必要ですか、と尋ねることをなぜしないのでしょうね?」と話す。

支援とは、苦しみ困っている人への「共苦」である。ならば、まず相手の気持ちを聞くことから始めるのが自然なことだろう。「あなたのことを気に掛けている」ということが、「忘れない」の内実でもあるはずだ。

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