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120位の日本 ミソジニーへの気づきを

2021年6月16日 11時27分

ミソジニーという言葉が日本で比較的多く使われるようになるのは、2010年代後半である。ジェンダーについての議論では、もっと早くから用いられているが、Google Scholarという学術文献の検索サイトで調べても、ミソジニーに触れた文献数は、2000年代までだと70件未満である。

現在でもミソジニーは人口に膾炙した言葉とは、まだ言い難い。「女性蔑視」などと訳されるが、ミソジニー的言動は、根の深い差別意識に根差している。宗教界にとっても正面から取り組まなければならない課題の一つである。

9日の龍谷大ジェンダーと宗教研究センター主催の研究会で、仏教宗派における女性僧侶の扱いについての発表があった。そこでは男性僧侶と女性僧侶の間にある大きな差別に加え、独身の女性僧侶と結婚した女性僧侶との間にある溝についても指摘がなされた。

日本のジェンダー・ギャップ指数は国際的には憂うべき状況にある。今年3月に世界経済フォーラムが公表した「ジェンダー・ギャップ指数2021」では、日本は120位である。

上位にはアイスランド、ノルウェー、フィンランドとヨーロッパの国が多いので、ヨーロッパ中心の価値観ではないかという批判をする人もいる。しかし近隣の国々と見比べると、フィリピン17位、タイ79位、韓国102位、中国107位である。日本は明らかにアジアでも低い方である。最下位はアフガニスタンの156位であるが、順位表はじっくり見た方がいい。ジェンダー・ギャップ指数では、日本は完全に後進国である。

社会全体がそのような状態にあるので、宗教界もそれに応じた意識に絡められているのではないか。それに気付かず、また自分が身を置く団体の都合だけからこの問題を考えていては、社会への発信など到底おぼつかない。

何より問題なのは、男性と女性を同等に見ることのできない意識である。民族差別も同様だが、生まれながらに存在する属性を差別の尺度とするのは、文化が構築したものである。だから、文化的に克服していかなければならない。

差別の根拠が不明瞭なものは、ほとんど慣例として継承されるにすぎない。上記研究会でも個別に起きている差別の理由を問うと、「今までそうしてきたから」という類いの回答が常と述べられた。

仏教では平和や平等という概念は非常な重みを持っている。仏教において当初から存在したそうした重要な文化的産物を、もっとも奥深いところまで追求すべきは、まずもって僧侶のはずである。

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