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コロナ禍の死者を悼む 悲しみを共にする場が必要

2021年7月21日 14時07分

新型コロナウイルス感染症による日本国内の死者が1万5千人を超えた。東日本大震災で死亡した方々に匹敵する数である。世界ではすでに400万人を超えている。感染症に罹患して亡くなった方々だけではない。感染症の流行のために生活が成り立たなくなり、貧窮のためにいのちを落とした方や自ら死を選ぶところまで追い込まれた方もいる。

経済は何とか成り立っているようだが、飲食業や宿泊業などの職種は営業をやめざるを得なかった人たちも少なくない。医療や介護などの職種の方々は流行の波が高まるたびに極めて困難な状況に追い込まれざるを得なかった。医療・介護従事者で犠牲になる人が多かった国もあった。弱い立場の人々がさらに苦しい状況に追い込まれる傾向があった。

ワクチンが広く打たれた国々ではいくらか安心が広がり、かつての日常に近づこうとしている例もある。日本もそろそろそういう段階に近づいていきそうではあるが、デルタ株が広まって、7月中旬に東京などが緊急事態宣言下に入った。まったく油断はできない。オリンピックの影響も懸念されるが、第5波の流行が長引くことがないのを願う。

ただ長期的に見ると、今後、峠を過ぎて、重荷が軽くなっていく方向にあると言ってよいだろう。こうしたときにこそ、この災厄でいのちを落とした人々のことを悼み、悲しみに暮れている方々のことを思うべきだろう。

多くの方々が十分なケアを受けることができなかったり、親しい家族らとの交わりの時を持つことができなかったりした。葬儀も簡略な形でせざるを得なかった場合が多かった。生き残った方々には死者への負い目を感じている例も多いことだろう。

かつて人々は、宗教的儀礼を通して悲しみを共にする場を持ってきた。地縁・血縁の薄まり、社会の個人化の進行によって、共同体的な宗教儀礼の場が後退してきた。21世紀に入ってこの傾向は勢いを増している。新型コロナウイルス感染症で、この傾向はさらに深刻さを増したようだ。

新型コロナウイルス感染症に耐えるために尽力してくれている方々への感謝を共にするとともに、悲しみを共にする場を持つことが求められている。それは辛く孤独な死への道を歩まざるを得なかった方々、ひとしお寂しく喪失に苦しんでおられる方々のためであるとともに、この災厄で多かれ少なかれ辛さや孤独を感じた私たち自身のためでもある。宗教の本来的な役割にも通じている。

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