PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
墨跡つき仏像カレンダー2022
PR
翠雲堂

いのちの重み伝える やまゆり園事件から5年

2021年7月28日 13時04分

相模原市の知的障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」で「障害者は不幸を作る」と主張する男によって入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負わされた事件から5年になるのを前に、26日の「犠牲者を偲ぶ会」の案内が来た。長年同園に勤務した元職員で、被害者らに寄り添ってきた太田顕さんらが惨劇を語り継ぐ活動をする「共に生きる社会を考える会」の主催で、今春に創刊された「考える会ニュース」も届いた。

ゆがんだ優生思想をむき出しにした犯行は、この社会の根底にある「役に立つかどうか」で人間を選別する風潮をあぶり出したが、その後も同様の差別や抑圧がなくならない一方で、事件の風化が懸念される。「忘れず、後世に伝える」ために毎月命日に施設前での献花を呼び掛け、勉強会など様々な取り組みをしてきた太田さんは「事件を防げず、入所者を守れなかった」痛恨の思いを抱き、それを自分事と捉えている。

それは勤務時代に入所者たちの互いに支え合う温かい人間性に触れ、自らを問い直した原体験からだが、障がい者を囲む社会を変革するには、管理主義に流れる行政・制度の壁、閉じ込め隔離する環境・建物の壁、そして最も大きな「人々の心の壁」が立ちはだかると訴える。そして、目指すのは「共生社会の創出」とする姿勢には、事件に注目し続ける各地の宗教者らにも共感が広がる。

だがこの5年にはいろんなことが起きた。東京パラリンピックの聖火をやまゆり園で採火するという行政の一方的な動きには、強い違和感を持った遺族たちから反対が起き、撤回された。当初声高に叫ばれコロナ禍で尻すぼみになった「復興五輪」と同様に、「障がい者問題」が政権浮上狙いの五輪・パラの言葉だけのPR道具にされるという危惧も強かったと伝えられる。

改修工事を終えた園には、8月から再び利用者が入所し生活する。その前の「偲ぶ会」ではドキュメンタリー映画「生きるのに理由はいるの? 『津久井やまゆり園事件』が問いかけたものは…」も上映され、遺族関係者が作詞した「やまゆり咲く里」という歌も斉唱された。「やまゆり咲く里…瞼浮かぶ 今日も涙…帰らぬ19のいとしきみ霊に…」と事件を正面から捉えた歌詞だ。

犯行にも触れ、「男はうそぶく 『か(彼)は人にあらず』 闇に沈むその心…かも母から生まれし者」と。そして、こう結ばれる。「『誰しも共に』と言うは易く 難し…叫びは救い 伝えたい心」

包括・被包括の観点で 宗派の未来目指す予算に1月21日

コロナ禍は宗教界にも、教化活動や財政面で深刻な影響を及ぼしている。本紙元日号ではコロナ禍1年目の仏教各宗派2020年度決算を分析したが、包括宗教法人の場合、各種研修会・講…

1・17から27年 語り伝える努力を1月19日

阪神・淡路大震災から27年目の日の前日、遠く離れた南太平洋トンガの火山爆発の影響で日本に津波が押し寄せた。国内の潮位上昇は最大でも1・2㍍だったが、この程度の水位変動でも…

日常の中の仏行 「百丈清規」の現代的意義1月14日

「働かざる者食うべからず」という言葉は、新約聖書にあるパウロの「テサロニケ人への第二の手紙」に由来するようだ。パウロは「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」と…

神社界 歴代藩主奉納の太刀公開

神社界 歴代藩主奉納の太刀公開

ニュース1月21日

管長に石附總持寺貫首 曹洞宗 初の就任、任期2年

ニュース1月21日

盛田正孝氏を推薦 顧問会 満場一致で候補に 總持寺副貫首選

ニュース1月21日
このエントリーをはてなブックマークに追加