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かつて日本が辿った道 香港民主派の大量辞職に憂慮

2021年7月30日 11時00分

香港立法会(議会)では、昨年ほぼ全員の民主派議員が辞職した。今起こりつつあるのは、区議会での民主派議員の大量辞職である。すでに200人以上の民主派議員が辞職ないし辞意を表明している。その背景にあるのは、宣誓式で議員に香港政府への忠誠を誓わせるという新ルールだ。宣誓に違反すれば議員報酬は没収、最悪の場合逮捕という恐れもある。

香港は今や民主主義がなし崩し的に解体され、共産党中央の意を受けた統制が隅々まで及びつつある。司法の独立も形ばかりで、裁判をしても民主派にはもはや勝ち目はない。こうした事態に対し、世界中から憂慮の声が上がっている。

しかし、香港で今起こっていることは、76年前までこの日本でも当たり前だったことを、我々は知るべきである。中国の国家安全維持法を戦前の治安維持法に、特務警察を特高警察という言葉に置き換えてみるとよい。

日本では戦前、大正デモクラシーという民主化の動きがあったが、その光明は昭和の戦時体制下でたちまち消えていった。特高警察は国民の思想動向を監視するため、私服警察やスパイを様々な集会に潜り込ませ、公衆便所の落書きにすら目を光らせた。その詳細は、戦後復刻された『特高月報』などから読み取ることができる。

宗教ですら例外ではなかった。いかなる宗教団体であっても、国体に反する教義や言動があれば直ちに摘発され、また一方で有無を言わさぬ戦争協力が強制された。その点で言えば、中国で昨年、宗教団体を管理統率する法令として施行された宗教団体管理弁法は、戦前の日本の宗教団体法とも二重写しにも見えてくる。

かつての日本が辿った抑圧の道を、今日の香港がリアルタイムで辿っている。このことを日本の宗教者は直視し、憂慮の声を中国に伝えていくべきではなかろうか。問題は香港の民主派の危機だけではない。ウイグルやチベットの人権抑圧、宗教弾圧の問題もそうだ。中国側がこうした指摘に対して内政干渉だと反発することは、当然予想されよう。実際、東アジアの宗教対話集会をボイコットしたこともあった。

だが、日本側がそれを恐れ、表面的な日中友好の次元でお茶を濁すことはあってはならない。宗教対話のチャンネルを堅持しつつ、中国側に粘り強く意見を伝えていくことは可能なはずだ。幸い日中双方には、互いに共有できる大乗仏教の教えがある。この教えを基に平和への道筋を説得力ある形で伝えることはできないだろうか。

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