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翠雲堂

東京五輪の光と闇 開催理念の再確認を

2021年9月15日 16時43分

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。オリンピックへ向けて精進するアスリート、それを支えた周囲の関係者の姿は、勝敗に関わりなく、輝きを帯び、多くの人々を感動させた。よく言われるように「勇気」を与えたこともあるだろう。しかし、一方で国民の意識は、いや応なく大会を巡る政治や利権にも向けられた。

コロナ禍で1年延期。再延期や開催反対の声が強い中、選手と外の接触をなくすバブル方式、無観客開催という異例尽くしの五輪だった。東京オリンピック組織委員会の橋本聖子会長は「大会が成功かは歴史が証明する」と言った。しかし、「評価」を歴史に丸投げして黙り込むのは、現在に生きる我々としては無責任だ。これから事実・功罪の検証に入るべきだ。

国を挙げての誘致活動、施設整備の巨額の投資は、第一義的に国家のメンツを懸けた事業だからだ。そのことは中止を余儀なくされた1940年の東京オリンピックをはじめ歴史が証明するところだ。今に始まったことではないが、クーベルタンの提唱したオリンピズムの理念との乖離はますます顕著になった。その乖離にはオリンピック開催を批判してきた報道機関も巻き込まれている。建前上、選手の成績=国威発揚ではないだろう。マスメディアがアスリートの活躍を報じるのはいいが、「日本の獲得メダル数」をやたらと強調するのは見識を疑わせる。

コロナ下での開催について、菅義偉首相は呪文のように「安心・安全」の二言を唱え続けた。東京誘致の贈賄疑惑、「復興五輪」のうたい文句の空虚さ、膨れ上がる予算など、東京オリンピックが抱え込んだ陰の部分は菅首相一人の責任ではないが、反対の世論の高まりに抗して開催に踏み切ったのは首相の政治的な賭けだろう。

この賭けは新型コロナウイルス感染拡大防止の面では国民に誤解を招くメッセージを発した上、自民党総裁再選の断念で政治的効果も疑問符が付いた。もっとも、感染症やテロのリスクが付きまとうグローバル時代のオリンピックで試行錯誤の一例にはなった。

オリンピックは依然として政治的、商業的に魅力あるスポーツイベントだ。そうである限り今後も継続して開かれるだろう。札幌の冬季五輪招致の話さえ聞かれる。しかし、立ち上げの理念を振り返ると、IOCもオリンピックというイベント自体も制度疲労で、あちこちに矛盾が目立っている。様々なリスクを乗り越えてまで行う意義のあるイベントなら、運営組織、開催形態をはじめ抜本的に見直すことが必要ではないか。

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