PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第18回「涙骨賞」を募集
PR
中外日報宗教文化講座2021 第18回「涙骨賞」を募集

東京五輪の光と闇 開催理念の再確認を

2021年9月15日 16時43分

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。オリンピックへ向けて精進するアスリート、それを支えた周囲の関係者の姿は、勝敗に関わりなく、輝きを帯び、多くの人々を感動させた。よく言われるように「勇気」を与えたこともあるだろう。しかし、一方で国民の意識は、いや応なく大会を巡る政治や利権にも向けられた。

コロナ禍で1年延期。再延期や開催反対の声が強い中、選手と外の接触をなくすバブル方式、無観客開催という異例尽くしの五輪だった。東京オリンピック組織委員会の橋本聖子会長は「大会が成功かは歴史が証明する」と言った。しかし、「評価」を歴史に丸投げして黙り込むのは、現在に生きる我々としては無責任だ。これから事実・功罪の検証に入るべきだ。

国を挙げての誘致活動、施設整備の巨額の投資は、第一義的に国家のメンツを懸けた事業だからだ。そのことは中止を余儀なくされた1940年の東京オリンピックをはじめ歴史が証明するところだ。今に始まったことではないが、クーベルタンの提唱したオリンピズムの理念との乖離はますます顕著になった。その乖離にはオリンピック開催を批判してきた報道機関も巻き込まれている。建前上、選手の成績=国威発揚ではないだろう。マスメディアがアスリートの活躍を報じるのはいいが、「日本の獲得メダル数」をやたらと強調するのは見識を疑わせる。

コロナ下での開催について、菅義偉首相は呪文のように「安心・安全」の二言を唱え続けた。東京誘致の贈賄疑惑、「復興五輪」のうたい文句の空虚さ、膨れ上がる予算など、東京オリンピックが抱え込んだ陰の部分は菅首相一人の責任ではないが、反対の世論の高まりに抗して開催に踏み切ったのは首相の政治的な賭けだろう。

この賭けは新型コロナウイルス感染拡大防止の面では国民に誤解を招くメッセージを発した上、自民党総裁再選の断念で政治的効果も疑問符が付いた。もっとも、感染症やテロのリスクが付きまとうグローバル時代のオリンピックで試行錯誤の一例にはなった。

オリンピックは依然として政治的、商業的に魅力あるスポーツイベントだ。そうである限り今後も継続して開かれるだろう。札幌の冬季五輪招致の話さえ聞かれる。しかし、立ち上げの理念を振り返ると、IOCもオリンピックというイベント自体も制度疲労で、あちこちに矛盾が目立っている。様々なリスクを乗り越えてまで行う意義のあるイベントなら、運営組織、開催形態をはじめ抜本的に見直すことが必要ではないか。

「テロとの戦い」の錯誤 宗教者の平和活動の意義9月17日

アメリカ同時テロから20年経った。米軍がアフガニスタンから撤退し、米軍が駆逐したはずのタリバンによる政権が復帰した。米国は「テロとの戦い」を掲げてアフガニスタンを攻撃し、…

いまも消えぬ悲しみ 犠牲者遺体捜し続ける遺族9月10日

9月11日は東日本大震災発生から125回目の月命日。だがこれは10年半という“区切り”などではなく、肉親を亡くした遺族や被災者の悲しみや苦しみはなお続いている。最多の死者…

子育てが難しい国柄 少子化の根底に社会への不安9月8日

人の営みの最もシンプルな形は子を産み、育てること、といわれる。子どもが生まれないと、いくら文明が発展しても社会は持続できないからだ。経済効率至上で右肩上がりの繁栄を追求す…

控訴審も元職員側勝訴 東京高裁「一審判決は相当」 神社本庁懲戒処分取り消し訴訟

ニュース9月17日

浄土宗、鎌倉新書に抗議 サイト「いい葬儀」、所属寺院を無断掲載

ニュース9月17日
橋本雅邦筆「臨済一喝」(明治時代、個人蔵)

人物画の魅力伝える 10月17日まで祖師・祭神像など公開 根津美術館企画展

ニュース9月17日
このエントリーをはてなブックマークに追加