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翠雲堂

危うい日本の未来 改めて非暴力主義を考える

2021年10月1日 11時29分

非暴力・不服従運動でインドを独立に導いたマハトマ・ガンジーは文明社会への警句として次の七つの罪を挙げた。理念なき政治▽労働なき富▽良心なき快楽▽人格なき学識▽道徳なき商業▽人間性なき科学▽献身なき信仰――である。

10月2日の「国際非暴力デー」は国連がガンジー誕生日にちなみ2007年に定めた。だが、今も警句そのままの世をガンジーはどう評するか。とりわけ平和憲法を支えに敗戦の荒廃から再起したのを忘れ、公然と敵基地攻撃能力の保持をさえ語り始めた日本の変身ぶりに深く失望することだろう。

戦争と暴力についてガンジーの信条は「非暴力は人類に残された最大の力であり、人類が発明した最大の破壊兵器よりもさらに強力」という言葉に凝縮されよう。ガンジーは『わが非暴力の闘い』でも、英国は暴力で目的(植民地化)を達成した、インドも同じ手段で、という意見を「毒草を植えてバラを咲かせられると言うのと同じ」との例えで否定している。

非暴力主義は、かつての日本の非武装中立論を連想するが、そうではない。ガンジーは英国支配下で良心に反する法律に従うことは「人間らしさにもとる。そんな教説は宗教に反し、奴隷状態を意味する」とし、自己の尊厳を希求する魂の力による闘いを説いた。インドの独立は非暴力、言い換えれば不殺生戒の勝利だが、それは武力や権威を恐れない強じんな精神に指導されて初めて実現できた。

翻って今の世界は「軍縮」という言葉さえ耳にしない。敵基地攻撃能力は相手国による攻撃の前にミサイル発射基地を破壊する。安倍晋三前首相が主張し、岸田文雄氏を選んだ先日の自民党総裁選で争点の一つになった。だが、憲法上の疑義に加え総力戦時代の戦争は戦場と銃後の区別がなくなり、国民同士が戦い血を流し合う。国民を総動員する態勢を敷くための統制も迫られる。ミサイル発射“合戦”では終わるまい。

安倍前首相は憲法解釈を閣議決定で強引に変え、軍事・治安に偏る法律を数々成立させた。疑惑も「桜を見る会」など数多く、菅義偉首相に引き継がれた国会を軽視し「説明しない」政治も含め問題が総裁選で総括されなかった。

理念なき政治の表れであり、政治への不安感は消えていない。不安といえば、1918年発生したスペイン風邪は世界で4千万人、日本で38万人が死亡する大惨事だったのに、第1次大戦の惨禍で“上書き”され、記憶が薄れたという。コロナ禍も同様のてん末にならないか。心配が尽きない。

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