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情報化社会と宗教 オンラインはパンドラの箱か

2021年11月2日 14時40分

新型コロナウイルスの感染は現在、目立って減少している。冬にかけて再拡大の恐れもあり、決して気が抜けないが、このところの感染減少は朗報には違いない。

宗教界では、コロナ後の布教や教化のありようを模索しつつある。そのキーワードの一つが情報化社会である。先般オンラインで開かれた教団付置研究所懇話会第19回年次大会のテーマは、まさに「情報化社会と宗教」であった。各宗教教団からの発表のほか、16の教団付置研究所からアンケート回答が寄せられた。どの教団も、コロナ禍の中でやむを得ずオンラインを導入せざるを得なかったが、始めてみるとその利便性は思いのほかで、様々な形で活用が図られるようになった。オンライン化の流れは、宗教においても新しい生活様式として今後も定着していくだろう。

今回の年次大会では、もっぱら教団からの情報発信について議論が行われた。だが、再考すべきは、情報が宗教にとってどういう役割を持つかということだ。教団上層部、僧侶や教師だけが情報を発信しているのではない。SNSの普及により、一般信者の側も主体的な情報発信、自由な情報交換を行うようになってきた。そうした情報は教団内外を超えて相互に行き交う。情報が双方向的に流れていれば、どんな組織や社会も風通しの良いものとなり、そこに新しい創意工夫も生まれてくる。情報は人と人をつなぎ、イノベーションを促す潤滑油でもある。

一方、それは教団側に大きな体質改善を迫ることにもなる。教化指導が信者を受け身の状態に置くばかりだったのではないか。信者の側も、悩みや葛藤も感じずに教師や僧侶に素直に従うのをひたすら良しとしてきたのではないか。こうした気付きが何より大切である。教えや信仰をただ単純に上意下達式に信者へと伝えればよいというのでは、これからの教団は立ち行かなくなっていくだろう。

その意味で、従来の在り方に安住してきた教団関係者にとっては、オンライン化はパンドラの箱を開けるようなものなのかもしれない。実際、教団批判の内部告発や異端的な言説がオンライン上を飛び交い、対応に苦慮している教団もある。

確かに教団にとって大きな試練だが、オンライン化は従来の教団運営の問題をあぶり出してくれるものとして積極的に受け入れていくべきである。何よりも信者を大切にするという基本軸さえぶれなければ、どんな問題が出てきても恐れる必要はない。パンドラの箱の底には希望が残されている。

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