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広がる「公共冷蔵庫」 利用者本位の困窮支援

2021年11月12日 10時41分

「公共冷蔵庫」をご存じだろうか。生活困窮者を支援するため、公共空間に置いた冷蔵庫に、個人や企業から寄付された食料品を保管し、必要のある人が無料でいつでも受け取れるというものだ。欧米発の取り組みだが、昨年に岡山の団体が始めて以来、関西など各地に広がっており、ひとり親家庭や食べ物にも困る若者らに広く利用されている。

商業施設等の一角に設置され、食品だけではなくトイレットペーパーや生理用品といった日用品などを置くケースも。利用者登録をするとスマートフォンに入れた専用アプリの操作で冷蔵庫の電子ロックが開く仕組みも導入されている。コロナ禍による貧困、格差拡大の中で1日数十世帯が利用する所もあるなど、需要は大きい。

山口県では今年7月から浄土宗寺院の住職が中心になって運営しており、商店街にあるカルチャースクールに借りたスペースで、冷蔵庫に野菜や果物などの食材を保管。常温保存できる菓子や乾麺、ドリンクなどは庫外のスペースに並べている。場所は店舗による提供、食品はフードバンクや市民からの寄付で、いわば善意で成り立っている。

きっかけは、寺で3年前から開いている子ども食堂をコロナ禍のため対面食事から配食に切り替えたこと。日時を決めた配布だけでなく、望む時にいつでも食品が取りに行ける場所があれば、と考えた。「待っている」のではなくこちらから手を差し伸べる、利用者本位の姿勢だと言えるだろう。

近くに大学と留学生の就労支援窓口があり、現在はアジア各国からの留学生の利用が多い。やはりコロナ禍でアルバイトがなくなり、生活費に事欠いても母国に帰ることもできずに困窮している若者がほとんどだ。無料で持って帰るだけでなく、その場で菓子をつまみながらドリンクを飲むこともでき、大変喜ばれている。

この「居場所」としての役割も住職が大いに重視している点だ。子ども食堂の経験から、家でも学校でもない“第三の場所”として、そこへ行けば何かがあり、誰かが居て話ができる居場所の大事さを実感したという。その場所づくりが貧困対策から孤立予防、世代間の交流、子育て支援、そして地域活性化から安心安全な街づくりへと広がると考えている。

実際の運営も市民ボランティアに支えられている。住職は「寺は檀家だけでなく地域に何ができるか。地元の課題、ニーズに基づいて寺を活用する道を考えた結果です」と語り、同様の取り組みが各地に拡大することが期待される。

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