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第18回「涙骨賞」を募集
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第18回「涙骨賞」を募集 翠雲堂

消えた自然の声 対応迫られる気候変動

2021年11月17日 14時04分

都心から電車で数十分、緑の丘に囲まれたベッドタウン。二十数年前に引っ越した当時、庭の隅で馬追いが鳴き、夜はカエル、明け方にはヒグラシの合唱が微かに聞こえた。庭にはモグラが土を盛り上げ、木の幹には蝉の抜け殻が幾つもついた。秋になればクサヒバリ、カネタタキが優しく鳴き、夕暮れから樹上でミドリマツムシが鋭い声を上げ、夜更けにはエンマコオロギ、ツヅレサセコオロギなど5、6種の虫の声が聞かれた。

散歩に出れば農地があり、農業用水の上をギンヤンマが舞い、岸ではオハグロトンボが羽を休めていた。蛇が鎌首を擡げて池を渡ってゆくのを見たこともある。姿を見掛け、あるいは鳴き声を聞いた鳥の数を数えてみたら、スズメ、カラス、ハトを含めて40種以上に及んだ。初夏にはウグイス、ホトトギス、アオバズクが鳴いた。

川には夏鴨が泳ぎ、冬場にはマガモ、オナガガモなどが集まり、コサギは普通で、オオサギ、アオサギ、ゴイサギを見掛けたこともある。水面すれすれに飛ぶカワセミ、シギも見られた。時折は潜水上手のカイツブリもいた。林でタカがハトを襲う現場を目撃したこともある。

いいことばかりではない。庭のクチナシとサンショウの木に青虫毛虫がつき、生垣には多数のミノムシが並び、梅の若枝にはアリマキがびっしりとついた。アシナガバチが巣を造り、家の外壁にスズメバチの一種らしき黒い蜂が集まったときには危険を感じて殺虫剤を使った。

それから僅か二十余年、市街化が進んだわけでもないのに、かつての面影はない。昆虫と小動物が激減した。環境が劣化しているようだ。蝉しぐれは希になり、特に夕方の散歩で楽しみにしているヒグラシは暑い所が苦手なようで、温暖化のせいか数が減った。

戦後、気候変動で人類の滅亡が近いという説が唱えられ、あと100年も持たないという学者もいる。かつては遠い夢物語に聞こえたが、今では現実味を帯びている。四季の有様が変わってゆくのが不気味である。

13日に閉幕した気候変動対策のCOP26は最後まで調整が難航し、特に脱石炭や新車の脱排気ガスの問題などで日本は厳しい立場に追い込まれた。COP26は国策に深く関わるため、SDGsと違い国内の宗教界は反応が薄いように見える。しかし、教皇庁は諸宗教者の共同アピールをまとめ、広く世界の宗教界にアクションを求めている。消えた小鳥の声は危機を警告していると考えるべきだろう。

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