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翠雲堂

WCRP50年 新たな10年へ行動目標

2021年12月1日 10時32分

世界宗教者平和会議(WCRP)の創設50周年記念式典が24日、第1回会議を開いた京都の地で開催された。世界の宗教者が互いの信念を尊重しながら、人類は地球家族の一員として根本的に尊厳にして平等であるとの認識を共有し、諸宗教間の対話と協力を通した平和構築への活動を展開してきた。世界90カ国以上にわたる国際諸宗教ネットワークとして存在感を示してきたその歩みは、宗教者が平和の担い手として協働するという未踏の嶺に道を開くものだったと言える。

半世紀という時間はWCRPの組織にも変化をもたらした。第一に世代交代が進んだことだ。平和の祈りで始まった式典は、第2部記念シンポジウムで基調講演に続いて5人の若手宗教者が登壇した。その顔触れはWCRPの草創期を担った人たちの3世、4世の世代である。バトンを握るのはすでに新しい世代であり、組織の新陳代謝は確実に進んでいる。問われるのは創設の理念が正しく継承されているかである。

注目したいのは、不確実性の高い現代世界に何を目指し、行動するかを明らかにした「WCRP日本委員会アジェンダ2030」の中身である。10年後をターゲットとする行動目標を示すもので、背景には、国連が採択したSDGsへの積極的参画の決意、気候変動の深刻化とそれに伴う資源の減少や環境悪化、社会の不安定化が人と人との分断や軋轢、新たな紛争の誘因となることへの危機感がある。またAI(人工知能)等の開発が価値観の変革をもたらし、尊厳や他者との関係性といった人間の存在意義が一段と問われる時代になるとの認識がある。

SDGsで触れられていない重大課題として、核兵器をはじめとする軍事問題、労働搾取、信教の自由の問題を挙げ、懸念を表明していることや、「孤立社会」の現実から目をそらさず、人とのつながりを実感できる「ともにいる場」の創造に宗教者が果たす役割は大きいとの認識を示している点にも着目したい。さらに、今後重視すべき行動として、倫理性に基づく経済界との対話、核抑止論についての国会議員との対話なども視野に入れている。

アジェンダ作成に関わったメンバーは若い。つまりWCRPの未来を担う宗教者の自覚や時代認識がそこに反映されているということだ。理念の再確認は欠くべからざる作業だが、一方に宗教の衰退が問われている現実がある。10年後を目指した実践目標はWCRPの明日を決定づける試金石となるだろう。

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