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翠雲堂

「ともにいる」意義 無為の時空の豊かさ

2022年1月5日 09時14分

新型コロナウイルス感染症によってテレワークが進み、多くの集いがオンラインで行われ、飲食をともにする機会が減った。新型コロナウイルス感染症が収束していけば、元へ戻るものもあろうが、新たな様式がそのまま続けられていく側面もあるだろう。これは新型コロナウイルス感染症の流行以前から動いていたものが、感染症の流行により加速した結果として捉えることもできる。

人と人との交流の在り方において、中長期的な変化が進んできており、それが加速したということだ。では、その変化は何か。人と人とが「ともにいる」ことが減ってきているということだ。「ともにする」ことは必ずしも減ってきてはいない。だが、特にすることはないが「ともにいる」という時間や場所が後退してきている。ともに無為に過ごす時空の豊かさが忘れられるのだ。

例えば、「何げない会話」というものを考えてみよう。沈黙の合間にふと会話がなされるような交わりがある。定められた時間の中で目的を果たすための会話とは異なり、ふと思い付いたことからやりとりが進み、思わぬ相互理解が生じたりする。「ともにいる」ことが前提となって「何げない会話」がなされ、おのずから進んでいくのだ。そこに交わりが生む豊かさがある。スピリチュアルケアや傾聴の働きも、「ともにいる」ことと切り離せないと考えられる。

「ともにいる」時間と空間は、目的を達成するために、効率を求めて管理される時間と空間とは異なる。合理性を高めて効果を数値で測ったりするような社会生活の領域が増えていくと、「ともにいる」時間と空間が乏しくなっていく。共同の無為の時空が軽視されるのだ。この傾向をコロナ禍が深めたところがある。

中にはコロナ禍によって、「ともにいる」ことの意義を再確認し、それを育てようという方向性を自覚した人もいるかもしれない。家にともにいて何げない話ができるようになったという人もいるだろう。宗教的な集いができにくくなったために、それが失われたことを辛く感じている人もいるだろう。

そこで感じ取られているものは、ますます効率に追われて動いていく社会生活の中で、忘れてはいけない目に見えない大切なものに通じるものだ。「ともにいる」ことは尊いものの訪れを待つこととも似ている。無為の時空の意義を顧みるよう社会に促す役割も、宗教が担ってよいものではないだろうか。

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