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宗教文化講座 翠雲堂

1・17から27年 語り伝える努力を

2022年1月19日 15時31分

阪神・淡路大震災から27年目の日の前日、遠く離れた南太平洋トンガの火山爆発の影響で日本に津波が押し寄せた。国内の潮位上昇は最大でも1・2㍍だったが、この程度の水位変動でも大いに危険である。急な潮の流れに巻き込まれると、自由に動けず押し流されるし、建物の被害もあるだろう。

それにも増して驚かされたのは、当初、日本への津波の懸念を否定していた気象庁の発表が、途中から津波注意報や一部は津波警報に切り替えられたことだ。しかも、潮位の変動は予想された時間より早かった。津波の到来が注意報に先行したのだ。

気象庁は未知の理由の潮位変動であることを認めた。噴火の衝撃波で気圧が上昇したことは事実だが、これと潮位上昇のメカニズムはまだ解明されていない。今後検証されるではあろうが、こうしたことがあると、私たちの知識の限界と自然を制御する力の弱さを考えさせられる。

先にも触れたように17日は阪神・淡路大震災から27年目の日。震災直後に取材で神戸市内に入り、その惨状を目の当たりにしたとき、言葉を失い、まず人間の無力さを思い知らされた。しかし、現地で一夜を明かし、各所で被災者支援活動に働く人々の姿を見て、少しばかり勇気づけられたものだ。

阪神・淡路大震災の年は日本のボランティア元年といわれるが、宗教者も托鉢募金、炊き出しや物資援助などで活動していた。当時、30代、40代の青年壮年で支援活動をしていた人も今では初老の域に入ろうとしていることを考えると、改めて感慨が深い。17日を迎え、あの日々を鮮明に思い起こした人も多いだろう。

一方で、震災を直接には知らない世代が社会人として成長してきている。そのことを思えば、災害を経験した私たちが阪神・淡路大震災や東日本大震災の実態と教訓を語り伝える義務の重さを自覚せざるを得ない。

これからの時代の災害では、グローバル化とともに増してきたウイルス感染症のリスクと同時に戦うことが求められることもあるだろう。南海トラフ地震をはじめ、いずれ必ず来る大災害。例えば福島第1原発のような取り返しのつかない問題を防ぐ意味でも、震災で失われた一人一人のかけがえのないいのちを追悼し、災害の教訓を語り継ぐことは重要である。新型コロナウイルスの影響で、1・17の追悼行事・法要も中止や規模縮小を余儀なくされたものがあるようだが、歳月による記憶の風化を防ぐため意識的な努力が求められている。

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