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宗教文化講座 翠雲堂

トンガ噴火津波で 平時の備えこそ防災の要

2022年1月26日 12時34分

トンガの大規模火山噴火による津波発生で、日本でも注意報が広範に出され不安が広がった。地震による津波と異なることもあって混乱も各方面で見られたが、東日本大震災の被災地では11年前の教訓を生かす動きがあり、同時に今後への問題点もあぶり出された。

宮城県の曹洞宗寺院住職は、状況を冷静に判断しながら避難所へ赴いて住民の様子を確認した。人々が落ち着いていたのは震災時と違い停電も断水もなく津波情報を逐次確認できたからだという。

16日未明以降に一時警報も出た岩手県のある市では、高台にある日蓮宗寺院に計44人が避難した。誰もがあの日の記憶をよみがえらせ、緊迫した状況で夜を過ごした。深夜に駆け上がってきた高校生は「万が一を思うと怖かった。自分が避難しないと皆が避難しないと思った」と話したという。震災で家が罹災していたのだった。

震災当時から被災者支援を続けてきた住職は本堂や各部屋に暖房を入れて待ち構え、徹夜で避難住民を世話した。翌朝は炊き出しをし、安全が確認されてから人々を見送った。この11年間、寺単独でも地域仏教会でも様々な防災対応を進め、食糧備蓄や訓練など実際の活動を絶やさなかった賜物だ。「トンガ住民の被災は人ごととは思えない」と義援募金も始めた。

しかし、震災を機に各寺院と市が避難所協定を結んでいたにもかかわらず今回、寺が自主的に避難所を開設したのを市が市民に広報しなかったという。住職は市の担当者が協定を失念していて消防団や市民から批判が出たことを知って強く改善を要望した。結果として漁港のワカメ養殖棚が多数流失するなどの被害も出ており、緊張感を喚起するのは当然のことだ。

大震災やその後に相次いだ災害を受け、全国で宗教施設と行政との間で防災協定の締結が進んでいる。だが、例えば住職一家が長年対応する寺院などに対して、行政側は長くて数年で担当職員が変わり、その間に災害がなければ引き継ぎが曖昧になるという問題も指摘されてきた。

同市の隣町の曹洞宗寺院でも20人余りの避難者を受け入れた。やはり震災では多くの犠牲者にも接し災害の恐怖が染みついている住職は、「今回は余裕があったが、身の引き締まる思いでお世話した。将来起きる日本海溝・千島海溝巨大地震津波への訓練でもありました」と言う。常々、震災記憶の伝承と被災による過疎化に歯止めをかける取り組みを継続している住職の「平時に常に緊張感を持ち続けるのが重要」との言葉が重い。

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