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宗教文化講座 翠雲堂

キャッシュレス化 時代の波にどう対応するか

2022年2月2日 12時50分

2019年はキャッシュレス元年と呼ばれた。政府は「キャッシュレス・ポイント還元事業」を通じてキャッシュレス決済の普及を後押した。様々な支払いの場所で、現金ではなく、クレジットカードやスマートフォンを取り出す人の姿は増える一方である。

では神社や寺院は賽銭のキャッシュレス化にどう対応するか。早くから電子マネーによる賽銭を可能にした寺社もある。他方、やはり賽銭は現金でなければという意識の神職や僧侶もいる。電子マネーを受け付けたいが、システム導入の経済的余裕がない所もある。

現実に、賽銭のキャッシュレス化を検討せざるを得ないような社会状態になってきているのは間違いない。銀行は大量の硬貨を入金する場合は手数料を取るようになった。例えばゆうちょ銀行の窓口でも22年1月17日から、硬貨が51枚以上になると枚数に応じて手数料が必要になった。

51~100枚は手数料が550円だが、硬貨の枚数が増えると段階的に手数料も増える。仮に初詣客の賽銭が硬貨で1万枚であったとすると、1万1千円を銀行に手数料として支払わなくてはならない。全てが100円硬貨であったと仮定するなら賽銭の1%強、また全てが10円硬貨であったなら1割強を銀行に支払うことになる。もっと多くを支払わなくてはならない銀行もある。

他方、現金の賽銭の場合、賽銭泥棒の被害に遭う危険性がある。特に地方の小さな神社や寺院の場合、少額とはいえ、しばしば賽銭泥棒の被害に遭う例がある。賽銭箱を空にしてしまうと、泥棒が腹を立てて放火する恐れもあるので、若干の現金を残しておくという神社なども現実に存在する。

キャッシュレス化は宗教法人にとって思わぬ問題へ展開する可能性がある。19年には衆議院で、宗教法人がキャッシュレス決済を導入すれば、非課税ではなく課税対象となるとの見方について政府の見解が求められた。質問に曖昧な箇所もあり、答弁は明確でなかったが、一般論として喜捨金は課税対象とならないと回答された。

社会がキャッシュレス化へと移行しつつあり、政府もそれを後押しする状況の中で、宗教法人への賽銭、布施、献金の類もキャッシュレスに向かうのは避け難い。

キャッシュレス化したいが、経済的に不可能であるというような小規模の神社や寺院への対処を含め、この時代の波にどう対応するかは、神社や寺院だけでなく、日本の宗教法人にとって背を向けられぬ差し迫った検討課題となっている。

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