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宗教文化講座 翠雲堂

ブッダ最後の教え 法を拠り所として生きる

2022年2月16日 11時10分

2月15日に多くの寺院は釈迦涅槃図を掲げるなどして釈尊の生涯とその教えを偲ぶ。沙羅双樹の下に頭を北に向け、右脇を下にして横たわるブッダの周りを仏弟子や動物たちが取り囲み嘆き悲しむ様子を描いた涅槃図は、無常のことわりと苦からの解脱の道を示し、生きとし生けるものに仏のいのちがあることを説いたブッダの教えを象徴的に表現している。

涅槃という言葉は、煩悩の炎が消えうせた状態を意味するサンスクリットのニルヴァーナを音写したもので、それが覚者・ブッダの死にも使われる。生死を超越し、究極の安らぎの境地を得たブッダは、自らの死をどのように迎えたのか。パーリ語の『大パリニッバーナ経』(中村元訳)は、人間釈迦の最後の旅の様子を生き生きと伝えている。

ブッダは王舎城からクシナーラーまでの旅の途中に、遊女アンバパーリーや鍛冶工の子チュンダ、その他多くの信者たちの供養を受け、法を説き、また臨終を迎える間際になって、スバッダという異教徒の行者の帰依を受け入れて最後の弟子とするなど、様々な出来事に出会う。その折々に示した言葉や教えははるかに遠い時間を超えて、ブッダの細やかな心遣いと温かい人間味を今あることのように感じさせる。

死の間際、ブッダは弟子たちに自分の死後、「もう教えを説かれた師はおられない」と考えてはいけない、「お前たちのためにわたしが説いた教えとわたしの制した戒律とが、わたしの死後にお前たちの師となるのだ」と言ってこう告げた。

「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい」――と。

これは「みずからを島とし、みずからをたよりとして、他のものをたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとするな」(自帰依・法帰依、自灯明・法灯明)という有名な教えとともに、ブッダの最後の教えとして後世に知られている。

八万四千の法門と呼ばれる膨大な言葉でブッダの教えは世界に伝えられ、それは様々な形で私たちの日常生活の中に生きている。日本仏教は宗祖を介して枝分かれしているが、「宗祖を通して釈尊に帰れ」と叫ばれるように、本源へ遡ればブッダその人にたどり着く。

コロナという困難に直面し、我が身の生と死にいや応なく向き合わなくてはいけない今、改めてブッダの教えから学び、何を拠り所として生きるべきかを考えたい。

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