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宗教文化講座 翠雲堂

宗教界の働き掛け 「太陽戦略」でアピールを

2022年3月30日 11時12分

ロシアによるウクライナ侵攻は長期化の様相を呈してきた。侵攻開始後1カ月余り、確認されただけで民間人の死者は千人を超えた。そのような中、日本の宗教者や宗教団体から次々と停戦を求める声が上がり、人道支援の動きも進みつつある。宗教界の共通した意見は、いのちの尊さ、平和の大切さを訴えるところにある。このメッセージに込められた意味をいま一度吟味してみたい。

いのちと平和の対極にあるのは、言うまでもなく死と戦争だ。戦争は暴力の最たるものであり、大量の死をもたらす。戦争を始めるのもやめるのも為政者による決断次第だが、このたびのウクライナ侵攻の場合、決断はひとえにロシアのプーチン大統領にかかっている。しかし、一向にその兆しが見えないどころか、西側諸国の出方次第では核兵器の使用も辞さないと脅しをかけている。万が一でも核兵器が使用されたら歯止めが利かず、最悪の場合は人類滅亡に至りかねない。

一部の報道では、「死の手」といわれる核報復システムがロシアにあるという。それは最高意思決定者が死亡すれば自動的に核ミサイルの発射スイッチが入れられ、自らの死とともに人類全体を道連れにしてしまうというものだ。こうした報道がまことしやかに流れるほど、プーチンは心を病んでいるように見える。それは社会心理学者のエーリッヒ・フロムの言葉を借りて言えば、ネクロフィリア(死の愛好)という病である。この反対の健康的な心の姿勢がバイオフィリア(生の愛好)である。バイオフィリアが建設と肯定の論理をなすのに対して、ネクロフィリアは破壊と否定の論理である。

だが、プーチン大統領がこの否定性の論理に絡め取られているにせよ、ロシアの国民全体は決してそうではないだろう。またプーチン自身も決して悪魔ではなく、人間として心を病んでいるにすぎない。経済制裁等による「北風戦略」も確かに必要だ。しかし宗教には、こういう時こそ「太陽戦略」を取ることが求められる。彼に対してネクロフィリアからの脱却を促すよう、倦まずたゆまず訴えてほしい。

現代はどんなに情報統制をしていても、SNS等を通じて情報は容易に拡散する。宗教から発信される情報は、胸から胸へと平和を訴えるバイオフィリアのメッセージである。その意味でも、いのちの尊さに力点を置いた日本の宗教界からの情報発信はとても効果的であり、ロシア国内に陽光を投げ掛け、反戦の機運を高めることに大きな力を果たすはずである。

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