PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
お位牌Maker
PR
宗教文化講座 翠雲堂

「反分離主義」法 国家主義と宗教的価値

2022年4月13日 15時40分

中国は3月からインターネット上の宗教情報に関して規制を強化した。禁止対象として11項目を挙げる。例えば「宗教を利用して国家政権の転覆を扇動、中国共産党の領導に反対する」「我が国の宗教的独立、自己管理の原則に違反する」。「未成年者を信仰に誘導、組織し、宗教活動参加を強制する」のも違法とされる。

「宗教的独立」は習近平政権の唱える「宗教の中国化」と密接に関係する。「独立」を阻害する要素としては国家を超えた権威と結び付くカトリックの存在がまず想定される。自己管理とは共産党の中央統一戦線工作部による管理に外ならない。未成年の教化は「邪教」とされてきた非公認の宗教だけでなく、公認宗教も含めての禁制ということになる。

フランスでは昨年8月に「共和国原則の尊重を確認する法律」が公布された。当初、イスラム過激主義に対抗するための「反分離主義法案」と呼ばれていた。その前年12月の閣議では、「国家の結束を強化し、共和国を不安定にしたい人々に対して行動することを可能にする」と法制定の狙いが語られた。過激派イスラム主義者対策であることが強調される。

同法はフランス国民議会の公式サイトで閲覧できる。現行諸法規の改正で、内容は様々。外国人がライシテ(国家の非宗教性、政教分離)など共和国原則の拒否を表明した場合、居住許可の発行を拒否できるとする第28条は憲法評議会で違憲とされたようだ。

しかし「処女証明書」発行の禁止、一夫多妻の社会保障での優遇防止、学校教育を受けず家庭教育をすることの制限なども含まれる。過激派対策を超えて、共和国原則・ライシテを盾にイスラム教の価値と対峙する印象もあり、BBCなどによると、トルコなどイスラム圏からの激しい批判のほか、国内でも右傾化と反イスラムの流れにさおさすことに懸念の声が上がっていた。

シャルリ・エブド事件やパリ同時多発テロ事件から続く危機的状況への対応とはいえ、共和国原理による統一より、社会の分断を促すことにならないか。多様な価値観の共存の道を粘り強く探ることさえ難しいのだろうか。

一方、信仰そのものが共産党の管理下にあることを露骨に強調する「宗教の中国化」政策は、公認諸宗教に対し共産党の統治を助け、信者を愛国心に導くことを求める(昨年12月の習近平総書記演説)。しかし、国家主義の下、宗教独自の信仰的価値が封殺される状況の危うさは戦前の日本が証明済みだ。

僧侶の生老病死 寺院の外で迎える老後5月25日

生老病死は誰一人として避けて通れない道である。そこには僧侶も在家者も、老若男女の区別もない。老いが進み、病床に伏すようになれば施設や病院で人生の最期を迎えるのも僧俗に格別…

いのちを社会で育てる 内密出産と不妊治療5月20日

熊本市にあるカトリック系の慈恵病院で10代の女性が病院だけに身元を明かす「内密出産」で昨年末に子供を産んだ。国内初の事例であり、出生届を親の氏名が空欄のままで受理できるの…

戦争の愚かさ 時代遅れの悪質なプライド5月18日

ロシアによるウクライナ侵攻の報道で、兵器の値段が出てくることがある。驚かされるのはその高額なことと消耗の激しさだ。ロシアの戦車は1両1億数千万円、新型のものだと4億円以上…

本社神輿3基がそろって氏子地域を巡った

三社祭、活気再び 本社神輿3基、3年ぶり渡御 浅草神社

ニュース5月27日
消えずの火を点火する椋田委員長㊧と中村副委員長

大師「消えずの火」後世に 宮島弥山・大聖院で灯火台落慶 生誕1250年委

ニュース5月27日
室中の間の玉龍(第6龍)の前に座る細川氏㊨と松山住職

細川元首相、龍安寺に襖絵奉納 雲龍図40面のうち32面完成 開基・細川勝元550年遠諱記念

ニュース5月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加