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宗教文化講座 翠雲堂

介護用品贈与通じ 支え合いの精神広める

2022年5月13日 11時29分

高齢者らを介護する家で使わず余った新品の紙おむつを寺で集めて必要な家庭などに贈り、同時に“支え合いの心”を広めようという「お寺おむつプロジェクト」を大阪府柏原市の寺院が発足させ、地域での協力の輪が広がりつつある。超高齢化や認知症の増加が進む中での有意義な社会活動だ。

ちょっとしたことからのひらめきだった。住職が檀家の男性から母親の一周忌の際に、生前の介護用おむつがたくさん残っているので活用してほしいと提案されたのがきっかけだ。「もっと長生きしてくれると思い余分に用意していたが、どなたかの役に立てば」との男性の言葉に、悲しみの中にも助け合いを忘れない温かい気持ちを未開封のおむつパックと共に受け取ったという。

寺では肉親を介護している人たちが悩みを共有する分かち合いの会を定期的に開いており、その場などでおむつの提供と贈与申し込みを呼び掛けていく。重要なポイントは「単に品物を贈るのではなく、それを通じて人に寄り添う心を伝え、孤立しがちな介護者の共感とつながりを求め、恩送りを広げていきたい」と住職が強調する姿勢だ。

介護に関わる課題が社会に共通する状況で、「初めはささやかでも多くの方に知ってもらえることが大事」とインターネットなどでの呼び掛けもし、公的助成やクラウドファンディングによるおむつ購入も計画する。住民からは早速、提供の申し入れがあった。

贈与先はデイサービスや老人ホームなどの施設も想定する。ある施設からは、開封したパックやサイズが不ぞろいでも入浴介助時の床の防水などにも活用できるとの情報も寄せられ、おむつ以外にも歯ブラシやシーツ、他の介護用品に「恩送り」の輪を広げることも視野に入ってくる。

住職からの積極的な働き掛けによって市の社会福祉協議会や地域包括支援センターが協力するのも心強い。社協は「おむつを媒介としてモノだけでなく精神的支援、人のつながりができるのが有意義。障がい者にもニーズがあり、市全体に広げられれば」と後方支援を約束し、相談窓口や市民が集う催しで呼び掛けをする。

介護は「生老病死」の最終ステージで大きな位置を占め、住職は「福祉は仏教本来の精神」と語る。ひとり親家庭の貧困に何とか手を差し伸べたいと奈良の一寺院から始まった「おてらおやつクラブ」は、宗派を超え全国の寺院に拡大し、他宗教にも取り組みが波及しつつある。おむつプロジェクトもそうなれば素晴しいことだ。

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