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宗教文化講座 翠雲堂

政界が最も遅れている 「カルト問題」のリテラシー

2022年7月20日 10時33分

安倍晋三・元首相の殺害事件で改めて旧統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)の存在が社会的に注目を集めている。

一般の市民にとって霊感商法や合同結婚式など旧統一教会の活動とそれへの批判がメディアをにぎわしたのは昔の話になるのだろうか。長年手続きが滞っていた教団懸案の法人名称変更は2015年に文化庁から認証され決着(反カルト派は批判)したが、旧統一教会・家庭連合の名をメディアで目にすることも減った。一方、文鮮明教祖の死(12年)後、教団分裂と混乱が伝えられていた。

旧統一教会につながる団体に何らかの形で関わりを持つ政治家は少なくない。同教会が国際勝共連合などを通じ、長年培ってきた政界の人脈の効果だろう。一部は「先輩議員も参加しているから」とか、あるいは支持者を通じて依頼されたといった程度の関わりかもしれない。安倍元首相にしても「韓国はアダム国家、日本はエバ国家」といった文教祖の考えに共鳴したとは考えにくい。

それを「政治家としての付き合い」「秘書の判断」などと苦しい弁護をする人もいるが、政治家には見識を期待するなという暴論のようにも聞こえる。今日、ネット情報に関するリテラシー(適切に処理する能力)ということがよく言われる。現在進行形で社会的問題のある教団は少し調べれば分かる。個人的信仰は別として、政治家はそのような教団との関わり方についてリテラシーを持ってほしい。過大な要求なのだろうか。

旧統一教会などの行為については全国霊感商法対策弁護士連絡会が、被害拡大を防ぐため活動している。1999年には日弁連として「宗教被害救済の指針」を発表(信教の自由との関係で宗教界から批判も寄せられたが)。訴訟を積み重ねる中、旧統一教会関係の裁判では「薬害訴訟などと同様の経過をたどり法的責任が明確にされてきた」(紀藤正樹弁護士=本紙2005年1月20日付「統一教会裁判 下」)。

「カルト」問題に詳しい櫻井義秀・北海道大教授は「青春を返せ裁判」で統一教会側の違法性を認める判例が増えてきたと指摘し、「訴訟の争点は最初から変わっていない。変わってきたのは宗教集団の違法行為に対する社会の認識だろう」と論じた(上記)。

少なくとも、司法の判断は変わってきたし、メディアも本来それを無視はできない。ところが、政治の世界の常識はやや違うようだ。このたびの事件は「カルト」問題の認識のギャップを悲劇的な形で示すものでもあった。

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