PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
2024宗教文化講座

出自知る権利 宗教界も支援の手を(8月2日付)

2023年8月4日 10時01分

不妊のため夫以外の第三者から精子提供を受ける生殖補助医療、非配偶者間人工授精(AID)は国内で1948年に開始以来、これまで1万5千人が誕生したとされる。現在も年3千回程度実施され、100人近くが生まれているという。

実施する事情は様々であっても精子提供は原則匿名とされ、出生した子供の「出自を知る権利」が長く問題になってきたが、出生者と提供者(ドナー)とを結ぶ団体が発足した。当事者と医療者が設立した一般社団法人「ドナーリンク・ジャパン」で、当事者同士の交流を進め、出自を知る権利の重要性を社会にアピールしていく。

報道によると、同社団は日本産科婦人科学会登録の医療機関で精子提供をした人と出生者が登録対象。提供年月日、血液型や身体的特徴といった情報を提出し、唾液などでDNA検査をする。互いの遺伝的なつながりが確認されれば本人の同意を前提に、提供者と出生者や、同じ提供者から生まれた異母きょうだいとを結び付ける。社会福祉士ら専門家が個別に聞き取りして仲介と支援をし、当事者の希望する範囲で情報を開示した上で面会や交流につなげる。

社団代表理事らは記者会見で「自分が何者かという出自を知るのは基本的権利なのに日本では認められていない。知れないと近親婚のリスクを抱え、遺伝性疾患があるかどうかも分からない」と指摘、長く取り組みを続けて理解を広め、会員を増やしてマッチング率を上げたい考えを示した。

AIDによる出生者も「私に関する情報なのに、私以外の人が『知る必要がない』となぜ私に言えるのか、疑問に思ってきた」と訴える。社団では今後、同様の問題を抱える、第三者による卵子提供にも対象を拡大する方針という。

生殖医療の急速な進展は多くの生命倫理上の課題を生み出し、宗教界も座視はできない。自らも医師であるAID出生者の関東の男性は、親から伏せられてきた自身の出自を知った際の衝撃を「家族の思い出がガラガラと崩れ、一緒に写っている写真が霧のように消滅していく感じ」と話した。

「これまでの人生はうそだったのか、自分は人には言えないような技術で産んだ恥ずかしい子だったのか」と苦悩したこの男性は、当事者が相談相手さえいない孤独感にさいなまれる実態を打ち明ける。そして、「世間の風潮が不妊治療を選ばせる圧力ともなり、血縁第一の家族観がAIDを隠すことにつながる。いのちの専門家である宗教者はもっとこの問題に関わってほしい」と期待する。

AI技術暴走の危惧 宗教界からの倫理提唱(2月28日付)3月1日

Chat GPTや画像生成などAIは私たちの日常生活にも存在感を高めている。最近は入力した言語からリアルな画像を生成できる機能が話題になった。今のところ、利便性の向上が注…

瞬発力ある災害支援 日常からの行いが奏効(2月23日付)2月28日

今なお多くの被災者が避難や悲惨な生活を余儀なくされている能登半島地震。現地に行くと、様々な宗教者たちの支援活動が活発だ。東日本大震災のように遺体安置所での弔い活動があまり…

過疎地置き去りの悲劇 東京一極集中の裏返しだ(2月21日付)2月22日

普段は気付かない理不尽な世のありようが災害時に可視化されるという経験則が、能登半島地震でも顕著に表れた。被害の深刻さが判明するのに日数を要し、従って被災者救援の初動も遅れ…

執務方針演説を行う池田総長

本願寺派新しい「領解文」 唱和推進、事実上撤回 「宗門の混乱長引く」と総長 拝読・唱和は寺院ごとの判断へ 定期宗会演説で言及

ニュース3月1日
園城議長㊨に署名を手渡した「考える会」の運営メンバーら

新しい「領解文」 唱和推進即時停止を 本願寺派有志、9106人の署名提出

ニュース3月1日

寮員・相馬勧学が辞表提出 「同意した責任を痛感」 本願寺派新しい「領解文」

ニュース2月29日
このエントリーをはてなブックマークに追加