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寺院の「2世問題」 進取の気概で取り組みを(8月25日付)

2023年8月30日 09時01分

新日本宗教団体連合会(新宗連)は、このほど理事長名で「信教の自由」についてのメッセージを出した(本紙8月4日号既報)。その内容は、宗教を信じる自由と宗教を信じなくてもよい自由とが不可分であるとし、信仰の自己決定権を訴えるものである。また真如苑(伊藤真聰苑主)は、教団内2世信者の声を募集する窓口を公式サイトに設置した(同上)。こちらは家庭内での信仰継承の悩みを聞き、そのサポートを行うための実情把握の試みであり、教団の退会者からも意見を集めるという積極的な姿勢だ。

宗教2世問題については、新宗教やキリスト教は反応が早い。その理由として、これらの教団が伝道宗教であり、親子間の信仰継承も世代間伝道とも位置付けられるからである。一方、伝統仏教の方は反応が鈍い。伝統仏教はこれまで特段の布教伝道活動をせずとも、既存の檀家だけを相手に代々家業として存立してきたからである。また歴史もあって地域になじみ、それなりに社会的評価も高いことも、その理由として挙げられるだろう。

しかし、伝統仏教は決して安全地帯にいるわけではない。寺院の置かれた状況は、地方の過疎化や少子高齢化の流れの中ですでに厳しい状況に置かれ、地域によっては“寺院消滅”とまでいわれるほどである。檀家も減少する中で自坊の運営が困難になり、その中で「お寺の跡継ぎ」問題も出現しているのである。

寺院が檀家を持つのは、仏教がそのようにして家を守ってきたからだ。檀家の側もまた同様にして寺院を護持し、代々その世襲を期待してきた。家業として寺院を受け継ぐことが信仰継承なのである。結局、伝統仏教における宗教2世問題とは、家の宗教の問題が新しい装いで登場したものだ。

これをあえて宗教2世問題と言う意味があるとすれば、個を尊重する時代にあって、寺院の子弟たちの自己決定権が強く問われているからである。旧態依然とした寺院の在り方が家族制度とも重なり、両者が不即不離の関係になっているところに世襲寺院のしがらみが生じる。そこから逃れたい子弟がいるというのが寺院の宗教2世問題である。

時代の変化は速い。自分たちは変わろうとしないで、信仰継承してほしいというのは虫のいい願いであろう。逆に言えば、時代の新しい価値観を積極的に寺院の中に取り入れることで新しい動きが出てくるはずだ。昨今の宗教2世問題を機に、伝統仏教こそ時代を先取りする気概が求められよう。

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