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普及しつつある昆虫食 持続可能性追求と食文化(9月20日付)

2023年9月22日 09時54分

昆虫を材料とする料理を食べてみて88・7%が「おいしかった」と答え、6割が今後日本で昆虫食が普及すると予想――。SDGsの流れで食用昆虫を研究する東京農業大バイオロボティクス研究室が昨年、学生を対象にした試食アンケートの結果だ。世界的食糧危機などを想定して昆虫が次世代の食資源として注目され、国内でも実用化が進んでいる。環境負荷が少ないメリットもある一方で、課題もあって拒否感も根強く、精進料理のように広く受け入れられるかどうかは未知数だ。

前述の試食はコオロギの姿揚げや、その粉末入りクッキー「陸えびサラミーノ」。報道によると市場では既にセミやバッタ、ハチなどを材料に様々な食べ物が出回っている。水生昆虫タガメの肉を使ったクレープやコオロギ入り麺を出しているレストランもある。

一方で、やはり材料の姿を想像して拒否する向きもあろう。農業大の例は学内だけにバイアスがかかっていることも考えられ、実は対象の学生の1割は食べなかったという。試しに市販のコオロギ入りチョコとせんべいを食べてみたところ、せんべいはえびせんのような風味だが、多くの人が美味と感じるとは思えず、わざわざ選ぶほどの魅力も感じなかった。ほかの各種アンケートでは「食べたくない」が9割近くに上る。

国連食糧農業機関が2013年に昆虫食推奨の報告書を出しており、欧州では商業化が進む。同機関の資料によると、タンパク質1㌔を生産するのに牛だと10㌔、鶏で2・5㌔の飼料を要するが、コオロギでは1・7㌔の餌で賄えるという。小面積で生産可能、排出する温室効果ガスも畜産に比べて少ないメリットがあり、気候変動や人口爆発による食糧難を背景に期待がかかる面もある。

日本では昔からイナゴ食などの習慣もあり、生き物の命を頂く「食」はいのちの文化の最たるものだ。一方で、経済効率や高利益重視で突き進む遺伝子組み換えなど「フードテック」の拡大、「食料安全保障」の名の下での農水産業のハイテク化、工業化は、自然に親しんできた伝統的な食の文化とそれへの従事者の存立を圧迫する危険が強く指摘される。

現に「見た目」のためにゲノム編集で白いコオロギが作られており、これを材料に工場で食品が大量生産されるなら違和感も招くだろう。持続可能性の観点からは宗教界も昆虫食に注目していいのかもしれないが、要は真に環境や自然に配慮した安全性確保と食べたいと思う加工方法などの考案が食文化となる鍵だろう。

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