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食の不均衡 生産と分配の改善を考える(10月6日付)

2023年10月11日 14時04分

国連は世界の食料問題を考える日として10月16日を「世界食料デー」と定めている。1945年のこの日、食料生産と分配の改善および生活向上を通して人類の飢餓からの解放を推進する「国連食糧農業機関(FAO)」が創設された。食料問題は貧困問題と深く関係しており、極度の貧困が生産性の低下や栄養不良、飢餓への連鎖を生む。先進国と途上国との「食の不均衡」、先進国での食べ残しや消費期限切れによる大量の食品廃棄も大きな問題となっている。FAOの駐日連絡事務所長である日比絵里子氏は「食べ物がたどってきた道を知ることから、食料問題を解決する扉が開いていくはず」と語っている。

世界の穀物生産量は28億㌧以上あり、在庫も加えると全人類が食べられるだけは生産されているにもかかわらず、約7億3500万人、11人に1人が慢性的な栄養不足だといわれている。そこに世界的な気候変動が追い打ちをかけ、2022年以降はロシアのウクライナ侵攻により穀物の生産価格の高騰が続いている。一方で廃棄される食品の「フードロス」は食用に生産されている食料の3分の1に当たる13億㌧に上るというから、食料生産と分配の改善を考える主たる責任は、先進国に生きる者の側にある。

消費者が公正取引(フェア・トレード)を望む時代だといわれるのも「食の不均衡」に関係している。例えばチョコレート。おいしいのは当たり前として、どこで、誰が、どのようにして作ったのかに人々の関心が向くようになった。途上国の住民が過酷な労働条件で生産する食物や食料を輸入、加工した物は買わない。あるいは安価な商品販売の裏に不適正な生産過程があるなら、それを求めないといった意識の高まりがあり、公正とは言えない背景を持つ安価な商品を避け、適正価格で買うことを志向する消費者行動が生まれている。

日比氏は「今、自分が手にしている物は、どこから来たのだろうと考えてみてください」と問い掛ける。国産か外国産か。それがどのように生産され、どんな資源やエネルギーを消費し、手元に届いているのか。例えば、ある国の森林を伐採して農地となった所で、貴重な水資源を利用して生産された物が、二酸化炭素を排出する船に乗って日本にやって来た、ということもあり得る。生産過程には児童労働などの問題が絡んでいるかもしれない――。毎日の食卓から、世界の危機に思いをはせてほしいという日比氏の言葉に耳を傾けたい。

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