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宗教2世と信仰継承 視点の所在が問われる(11月22日付)

2023年11月29日 09時27分

安倍元首相銃撃事件を契機に、「宗教2世」など宗教の負の面に着目した書籍、報道、ネットでの議論などが急増した。事件の衝撃が大きく、またその背後にあったものへの関心も惹起された。

篤い信仰を持つ親の下に育った子どもが、ある時期に親の信仰に疑問を抱くことは珍しい話ではない。結果的に親の信仰を否定する人もいれば、自分が親の年齢になった時に、親の信仰が理解できるようになったという人もいる。

かつては「家の宗教」といわれてきたが、次第に死語になりつつある。檀家意識の弱まりで、特定の仏教宗派を親子代々当然のように継承する時代ではなくなった。親の信仰が自動的に子どもの信仰であるという構造の崩壊傾向は日本だけではない、西欧キリスト教世界でも顕著になっている。

そうした社会の傾向に抗うように、一部の宗教では親が自分の信仰を子どもに強制する姿勢を維持しようとする。非常に微妙な問題ではあるが、実際に被害を訴える子どもたちの声に耳を傾ける必要があるのは言うまでもない。

いくつかの教団に顕著にみられる子どもたちの訴えを背景に起こったのが、「宗教2世問題」である。当初は「カルト2世」という表現も散見されたが、最近は「宗教2世」が一般的になっている。

ただ、「カルト2世」や「宗教2世」という視点の教団批判は注意を要する。「宗教2世」という言葉そのものが、ネガティブな意味を持つようになったからだ。

問題とすべきは信仰を持つ親による子どもへの言動内容である。子どもの人権を無視したような戒律の押し付け、一般社会で広がっている情報を一切遮断するような閉鎖的姿勢、さらには子どもが適切な教育を受ける権利の剥奪。こうした具体的事例を取り上げ問題としていくのは当然である。

ただ、これらを「宗教2世問題」と括ることは、親が入信した宗教を子どもに伝えようとすること自体に否定的意味を与えかねない。問題となっている教団から、そうした批判は信教の自由を奪うものだという反駁を生みやすくする。

少し前になるが8月にアップロードされた「ユーチューブ」のRIRCチャンネルは、この問題を冷静に分析している。タイトルは「児童虐待の防止を目指す『スノードロップ』の設立~信仰継承問題と『宗教2世』問題~」である。

批判の矛先を先鋭化させると、防御しようとする側も先鋭化する可能性を生む。宗教2世問題は視点を変えれば信仰継承問題の一環になるので、この用語の使用には慎重であってほしい。

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