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2024宗教文化講座

寺院の公益性 寺族の笑顔が出発点(1月3日付)

2024年1月9日 09時32分

旧統一教会問題は、宗教法人法の在り方に対しても再検討を迫りつつある。それは宗教法人の公益性そのものに関わる問題だ。公益という言葉から多くの人が想像するのは、不特定多数に対しての社会貢献活動や事業である。

しかし、子細に見れば、多くの公益法人は特定の人々を対象とする。例えば、大学など学校法人は学生を対象とし、病院など医療法人は患者を対象とし、施設など社会福祉法人は入居者を対象としている。宗教法人では、まず所属の信者が対象となることが多い。

それ故、特定の人々に貢献することが直接的な公益性であり、その結果として社会に対して間接的な公益性が果たされることになる。大学の場合は学生たちに高等教育をしっかりと施し、優秀な卒業生を世の中に送り出すことにより社会に貢献することができる。

寺院や教会においても同様に、「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成する」(宗教法人法第二条)ことが直接的な公益活動である。そして信者が心身の救いを得て幸せになった結果、世の中が安穏になっていく。これが間接的に公益性をもたらす。

ところで、仏教の宗教施設は寺院という形を取り、それは住職の家が基本となって形成されている。とすれば、信者家庭を大切にすることもさることながら、まず寺院家庭(寺庭)そのものを大切にすることが必須となる。寺庭が幸せに治まっていればこそ、信者への教化育成も果たされる。救いと幸せはまず寺庭において成立していることが重要である。社会貢献の前に信者への貢献があるが、その前にあるのが寺族への貢献だ。自らが幸せになることで、初めて他を幸福に導くことができる。これは現代における「自信教人信」とも解せられないだろうか。

ただ、寺族の女性たちの手記を読むと、寺を切り盛りしてきた彼女たちの人知れぬ苦労や報われることの少ない境遇が伝わってくる。寺院の宗教2世問題も、原因の一端はここにあるかもしれない。それ故、住職がいま一度、自らの寺院の在り方を振り返り、寺族の抱える諸問題を寺族一丸となって解決していくことが求められる。

寺院はいや応なく“家業化”している。しかし、それは人心救済に携わる魅力的な家業である。寺庭とは血縁だけでなく、法縁においてもつながった特別な家庭である。現代の日本仏教の公益性をこのように受け止め直した時、その出発点は、寺族が心から笑顔になるところに存すると言えるのである。

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