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山岳信仰と考古学Ⅲ…山の考古学研究会編

2020年7月22日 10時43分
山岳信仰と考古学Ⅲ

「山の考古学」を提唱し、1987年から研究会を続けてきた故菅谷文則・前奈良県立橿原考古学研究所所長の追悼論集。現会長の森下惠介・元奈良市埋蔵文化財調査センター所長ら22人の論考を収める。

和歌山県教育庁の寺本就一氏は、修験道の根本道場・大峯山の「笙ノ窟」(奈良県上北山村)にあった参籠堂の復元を試みた。笙ノ窟は標高1450メートルにある幅12メートル、高さ3・3メートル、奥行き7メートルの洞窟。平安時代に日蔵上人がこもり冥界に行き、醍醐天皇や菅原道真に会った伝説が有名だ。寺本氏は94年の調査時、発掘成果を基に正面3間、奥行き2間の切り妻造り妻入り正面庇付きとして参籠堂の復元図を作製したが、今回再検討した。

氷点下15度となる厳冬期の参籠を考慮し、仏堂ではなく、遺構の少ない参籠所を参考に構造を推定。現在の不動明王壇を取り込み、出土した石組み遺構を囲炉裏と想定し、大峯の別の参籠堂の近世絵図を参考に、板壁・板葺きとして正面4間・切り妻造り平入りの堂とした。仏教建築の美しさを多少意識した前回の復元図よりも、山小屋に近い素朴な外観となった。

神道考古学、大和葛城山、比叡山横川、仁和寺子院の紫金臺寺、伊豆辺路修行、筑波山、日光男体山、妙高山の論考もある。

本体価格9000円、同成社(電話03・3239・1467)刊。

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