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抵抗権と人権の思想史 欧米型と天皇型の攻防…森島豊著

2020年8月27日 11時31分
抵抗権と人権の思想史 欧米型と天皇型の攻防

欧米の基本的人権の思想は近世以降、プロテスタンティズムの土壌で育まれ、「神の前での平等」の理念の下、歴史的に発展してきた。日本国憲法も「基本的人権」を「侵すことのできない永久の権利」と保障する。それは一般に普遍的な価値として認識されているが、中国のように「西側」のものとして相対化する立場もある。本書は人権思想の発展史を検証し(第1部)、著者が「天皇型平等思想」と名付けるものを欧米型人権・平等思想と対置的に検討する(第2部)。

両者の思想的差異は「キリスト教の影響を受けた抵抗権の有無にある」と著者は指摘する。欧米型人権理念は日本国憲法にも受け継がれているように見える。しかし、日本では明治以降「天皇赤子」という天皇と結び付いた平等理念が浸透し、欧米型平等観は日本国憲法下でも土着したとは言えない。

国家権力の不当な行使に対する「抵抗」の欧米的理念は、明治国家において、日本のキリスト教の変質で強力な担い手を失っていった。影響は現代の様々な社会事象にも及ぶ。著者は自民党の「日本国憲法改正草案」で「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に変更している例などを挙げ「高レベルの危険信号」と指摘。国家を超えた視点から抵抗権の意味の再認識を促す。

本体価格3000円、教文館(電話03・3561・5549)刊。

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