食卓から未来を変える “新しい文明”を築くために2…宗教法人「生長の家」編

猛暑や暴風雨など地球温暖化の影響による気候変動が実感され、環境問題への個人レベルの取り組みが求められている。教団を挙げて環境問題に取り組んできた「生長の家」は、会員が信仰に基づく「倫理的な生活者」として「自然と共に伸びる」生き方を開発するため三つのプロジェクト型組織を設けた。
本書ではその一つ「SNIオーガニック菜園部」の活動を紹介する。同部は二酸化炭素の排出を抑えた「低炭素」、温暖化への影響などの問題がある肉食を控える「ノーミート」を日々の食生活で実践している。
イメージしづらい「低炭素」だが、基準となる考え方として、ハウス栽培では暖房に燃料を使うため、環境へ負荷がかかることから旬の時期に農産物を食べる「旬産旬消」や、外国産の食材は飛行機や船など生産地からの輸送機関が大量の二酸化炭素を排出するので地元産の食材を選ぶ「地産地消」を解説する。
部員たちによる様々なノーミート料理のレシピや家庭菜園よりも手軽なベランダでのプランター栽培の事例は生活のヒントになる。
世界の穀物の3分の1が牛などの家畜により消費されており、食肉は飢えに苦しむ人から間接的に食料を奪うことにつながるという指摘も重い。
本体価格909円、日本教文社(電話03・3401・9111)刊。