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奈良時代の大安寺 資財帳の考古学的探究…上原眞人著 南都大安寺編

2021年5月10日 09時25分
奈良時代の大安寺 資財帳の考古学的探究

東大寺が創建されるまで古代の国家仏教の筆頭寺院だった大安寺の実態に迫るシリーズ第4弾。寺院が所有する伽藍、仏像、法具、宝物、資産を詳細に記した747年の「大安寺資財帳」を読み解き、考古学の成果と照合して奈良時代の大安寺成立を解剖する。

資財帳が記す仏像・仏画群の点数に矛盾があり、他寺にない回廊壁画やインド国王の像の記載にも諸説があったが、表記の不具合はあるものの内容に誤りはないと指摘。霊鷲山繍仏図を前身の百済大寺の当初本尊とした。

注目すべきは特別に指名を受けて大安寺に「改造」を加えたとされる入唐僧・道慈が実際に何をしたのかの考察だ。道慈は長安の西明寺を模して大安寺を建てたという伝承から従来、建造物に計画変更を加えたと評価されてきたが文献史料と発掘成果から否定する。あたかも空海が古代寺院の伽藍形態は変えずに仏像仏画で東寺を密教化したように、道慈の独自性も主に仏像仏画に発揮されたと指摘。大般若経の世界を異例の仏画・仏像群で空間的に表現し、霊鷲山繍仏図を群像で立体化したことなどを明らかにした。

賓頭盧尊者などに擬す聖僧像が資財帳では理念的に「僧侶」扱いされていることや、先行研究が無視してきた資財帳記載の「全ての建物」を考慮した伽藍図の復元も興味深い。

定価1980円、東方出版(電話06・6779・9571)刊。

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