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85歳 この世の捨てぜりふ さらば人生独りごと…菅野国春著

2021年6月1日 09時20分
85歳 この世の捨てぜりふ さらば人生独りごと

雑誌記者、作家として活躍した著者が85歳を迎え、取材してきたネタや自身の思いを現世への「捨てぜりふ」としてつづったエッセー。第一章から「長生き何がめでたい」と始まり、高齢者の持つ厭世観や性愛など、人が秘める生々しい側面を克明に記した。

官能小説の執筆や、暴力団組長のゴーストライターなど様々な経験を積んだ著者だけに、個々のエピソードは非常に興味深い。「捨てぜりふ」として放たれる、今まで公にしてこなかったゴシップネタの数々や、時事問題への忌憚ない提言は痛快だ。

一方、心身の衰えや安楽死への憧れなど老いがもたらすネガティブな部分を隠そうとはしない。取材で知った老人の性欲やそれにまつわるトラブルなど大声では言えない、しかし目を背けてはいけない生の高齢者像を写実的に著す。その上で高齢者はどのような心持ちで生きるべきかを述べる。

私たちは高齢者について語るとき、つい純粋で無害だという先入観を持ってしまうのではないか。それにより人が本来持ち得る生々しい感情を見て見ぬふりし、無毒化してしまう。著者が本書に託した捨てぜりふには、それに対する抗議も含まれていると感じる。愉快なエッセーにして、奥深い人間観を巧みに練りこんだ傾聴に値する「独りごと」だ。

定価1760円、展望社(電話03・3814・1997)刊。

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