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歴史のなかの仏教 龍谷叢書56…斎藤信行・北畠浄光編

2021年6月4日 16時08分
歴史のなかの仏教 龍谷叢書56

「宗教とは何か」「仏教とは何か」を考えながら、宗教・仏教が歴史の中で果たした役割を考察した論集。龍谷大名誉教授の福嶋寛隆氏を中心とした研究会のメンバー8人の成果報告で、編者によると、福嶋氏が「人間の尊厳における平等を獲得する宗教的条件として、『真宗の復権』がいかに重要であるか」をしきりに語ったことから、各論文にもその思いが少なからず反映されているという。

編者二人の論文から問題意識を見ると、北畠浄光氏の「日本浄土教史における源信の位置」は、『往生要集』で知られる源信がどのような宗教的実践を志向し、日本浄土教史でどのような役割を果たしたかを考える。源信の「名利の否定」という基本的立場を踏まえた上で、その具体化とも言える比叡山横川での遁世と宗教的実践を考察する。

斎藤信行氏の「親鸞の信仰と教団形成」は、真宗教団の形成について蓮如期以降が有力視される中、親鸞に教団形成の意図がなかったかを考える。組織形態ではなく信仰に重点を置き、親鸞と教団形成を巡る研究史、親鸞の信仰構造などの考察を通じて「親鸞の教団形成の必然性」を検討する。

中世浄土教に始まり、戦時下の西本願寺教団の動向に至るまで多岐にわたるテーマの論考全8篇を収録。

定価5500円、永田文昌堂(電話075・371・6651)刊。

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