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100年前のパンデミック 日本のキリスト教はスペイン風邪とどう向き合ったか…富坂キリスト教センター編

2021年7月6日 15時13分
100年前のパンデミック 日本のキリスト教はスペイン風邪とどう向き合ったか

約100年前にも現在と同様のパンデミックがあった。1918~20年に流行したスペイン風邪で、約38万5千人が亡くなった。本書は日本のキリスト教におけるスペイン風邪への対応を研究し、まとめたものだ。

各教派の機関紙等に見るスペイン風邪の記録を巻末に網羅する。そこには氏名や年齢も記され、単に大勢が亡くなったのではなく、司祭や牧師、信者ら一人一人が罹患した事実を改めて知ることができる。様々な集会が中止になるなど、現在と共通することもあれば、米国からの帰国船内で10人の死者が出たにも関わらず、船から降り立った司教を盛大に出迎えるなど、今では考えられないようなことも見受けられる。

どうしてスペイン風邪は忘れ去られたのか。本研究の発起人の戒能信生氏は当時、関東大震災で多大な犠牲が出たこと、朝鮮の三一独立運動、中国の五四抗日運動等の報道に注意が向いたことなどを挙げる。カトリックの事例を調査した三好千春氏は、多くのフランス人宣教師が動員された第1次世界大戦の方が関心事だったと指摘。プロテスタントを調べた李元重氏は「理想を具体化するための実践力が欠如していた」ため、スペイン風邪に対しても具体的な対応ができなかったのではないかと論じている。

定価1650円、新教出版社(電話03・3260・6148)。

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