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ニニフニ 南方熊楠と土宜法龍の複数論理思考…小田龍哉著

2021年9月7日 11時46分
ニニフニ 南方熊楠と土宜法龍の複数論理思考

書名の「二而不二(ニニフニ)」とは「二であって二ではない」と訳される真言密教由来の言葉である。一口に「一」といっても不変の数字としての「一」ではなく、「多」の対立概念としての「一」でもない。つまり「一」という概念は単一ではなく、ある事象に対して、様々な角度から見て語ることを指す。

一元的な価値観や単純な二項対立の論理を疑問視し、複数性に着目する論説自体は今や珍しくはない。しかし、本書はその複数性の思考、つまり「ニニフニ」の実践とはいかになされるかを踏み込んで検討している。

「ニニフニ」の地平を開いたのは、世界的な生物学者・南方熊楠とその盟友、高野山管長で仏教学者の土宜法龍であった。二人は往復書簡を通して議論を交わした。著者はその書簡の翻刻を引用しつつ、試行錯誤しながら「南方マンダラ」などを提唱し、「ニニフニ」に至った過程を克明に記している。

特に南方は「世塵にまみれて真理を生きるとはどういうことか」を考えた人であった。身に迫る世の様々な事象を多様な角度から捉える試み、たとえば男性への「道ならぬ恋」を相対化して捉え「浄の男道」として開花させた南方の英知「ニニフニ」は、生きるための技術としても学ぶことが多い。

定価4950円、左右社(電話03・5786・6030)刊。

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