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真宗からの倶舎・法相読本…北塔光昇著

2021年9月17日 10時24分
真宗からの倶舎・法相読本

惧舎、法相といえば、奈良仏教の南都六宗に数えられる日本の伝統仏教である。民衆救済を志向する鎌倉新仏教に対し、「唯識三年、惧舎八年」といわれるように難解な学問仏教としてのイメージが強い。そんな難解な仏教の教理教学についての概説書を浄土真宗本願寺派の勧学である著者が、なぜ手掛けたのだろうか。

答えは、著者が本願寺派僧侶の養成機関である中央仏教学院の第16代院長を務め、5年にわたって仏教について講義してきたことによる。真宗の教えを学ぶ上では、仏教の歴史や他宗派との関係性、さらには他の教えの中から専修念仏の教えが選ばれた理由についても知っておく必要がある。惧舎、法相の教理を知ることは、仏教の因果論や認識論、唯識についての考え方を学ぶことにほかならない。学院生のための副読本としての役目を本書は担っている。

学院での講義に明け暮れるうちに、こんなことを考えるようになったと著者は告白している。――「宗祖親鸞聖人以来の真宗が、日本の仏教各宗とどのような教義的な関係をもって存続してきたのかということに関心が及び」、さらに「その関係性の講義をすることが真宗の僧侶養成機関における私の責務ではないかと考えるようにもなりました」と。

定価2640円、永田文昌堂(電話075・371・6651)刊。

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