PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第18回「涙骨賞」を募集
PR
第18回「涙骨賞」を募集 翠雲堂

死者と霊性 -近代を問い直す…末木文美士編

2021年10月27日 12時34分
死者と霊性 -近代を問い直す

思想史の視点から日本の近代を問い続けてきた末木氏と若手の論客4人(若松英輔、中島隆博、安藤礼二、中島岳志・各氏)の座談会。死の意味が見えにくくなっている現代に対し、「死者と霊性」のテーマからアプローチし、宗教の役割、可能性を示唆する。

見えざるものを代表する死者との関係は、世俗化の中で大きく変わってきた。宗教が公的な場から排除され、信仰は個人の内的な問題となる。その延長で見えざるものも場所を失う。しかし、東日本大震災は死者の存在を改めて強く意識させ、原発事故やコロナ禍は見えざるものの力を思い知らせた、と末木氏は指摘する。

宗教はどうなったか。若松氏はコロナ下で宗教は「言葉を失った」と言う。証明不可能な不合理なものとの結び付きを整えながら次の時代を創っていくため、危機の中で「宗教」は何をなし得るのか、と同氏は問う。

中島岳志氏は政治学の観点から、今の民主主義を立て直すには「仏事を立て直す」必要があると主張する。死者、先祖からの信託を受け止め、その霊性と共に生きることと、先人の経験の蓄積である憲法の「精神」を守る立憲主義はつながる。寺の住職が、死者という問題に主体的に取り組む営みは重要で、民主主義の課題とも直結するのだ、と。

定価946円、岩波書店(電話03・5210・4000)刊。

空海を生きる

空海を生きる…ひろさちや著

12月6日

仏教を分かりやすく語り続けてきた著者による書き下ろしシリーズ「祖師を生きる」(全8巻)の3作目。真言密教を体現するかのような空海の生涯を時系列でたどりながら、その実像と教…

聖徳太子と四天王寺

聖徳太子と四天王寺…石川知彦監修・和宗総本山四天王寺編集

12月3日

来年4月まで営まれる聖徳太子1400年御聖忌を記念して出版された。四天王寺が創建された古代から平安、中世、近世、近現代と伽藍建築を解説した本記に加え、37本のコラムで「信…

入定する霧島修験 島津氏帰依僧の『日録』に見る近世修験道の変容

入定する霧島修験 島津氏帰依僧の『日録』に見る近世修験道の変容…森田清美著

11月30日

島津家や庶民がその霊験に帰依し、石室に入定して「火の神」となった近世中期の真言僧の自伝『空順法印日録』104段を、自筆の可能性がある写本を底本に全文翻刻し、読み解いた。廃…

情報のTsunami 救済は全人的知に基づく

社説12月3日

WCRP50年 新たな10年へ行動目標

社説12月1日

見えざるものの力 死者との関係を取り戻す

社説11月26日
このエントリーをはてなブックマークに追加