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浄土の哲学 念仏・衆生・大慈悲心…守中高明著

2021年11月25日 12時05分
浄土の哲学 念仏・衆生・大慈悲心

新型コロナウイルスのパンデミックや自然災害、新自由主義経済が生む極端な貧富の格差など様々な脅威にさらされた現在の危機をいかに切り抜けるか。著者はヒントを鎌倉時代の末法の世に求める。法然、親鸞、一遍の称名念仏の教えから、新しい社会的紐帯をつくり出す運動の原理を導き出すためである。

本書は親鸞が「阿弥陀仏=自然という等式を打ち立てた」ことを重視する。自然とは人がただそこに内在することしかできない生成のプロセスである。その認識に立つとき、阿弥陀仏を超越者として表象する「平安的パラダイム」の誤りから脱却できるという。

法然以前の往生とは、善人・悪人、持戒・破戒、貴・賤等を区別し、前者のみが浄土に超越できる条件付きの救済であった。現代の「違いを認め合う」平等観も社会の道徳に左右される相対的なものであり、差異を絶対的に肯定する親鸞らはその欺瞞をうつ。

浄土思想に固有の自力の消尽の教えについては「今日こそすぐれて批判的な有効性をもつ」と指摘。他力への「信」は、「持続可能な開発目標SDGs」のような錯覚、つまり「あたかも自然に対して支配と制御の適度で適切な『人間的』関係を持ち続けることができるかのように思い込む錯覚から、人々を目覚めさせるはずだ」と訴えている。

定価3025円、河出書房新社(電話03・3404・1201)刊。

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