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「現成公按」を現成する 『正法眼蔵』を開く鍵…奥村正博著、宮川敬之訳

2021年11月26日 09時52分
「現成公按」を現成する 『正法眼蔵』を開く鍵

禅を異文化の地へ伝えることを可能にしたのは、鈴木大拙や多くの禅僧が禅的生き方を体現する実践者であったことによる。禅をどう言葉にするかという問題は、禅の実践的理解なくしては不可能と言っていい。本書は禅のテキストの中でも難解な哲学的思考の書とされる道元禅師の『正法眼蔵』から「現成公按」巻を英語で講じたものの翻訳である。

著者は22歳で出家得度し27歳で渡米、30年以上にわたりアメリカで坐禅指導を続け、現在も現地で接心や正法眼蔵講義を行っている。これまでの講義は随時編集・出版されており、本書もまた、著者の坐禅弁道と英語による眼蔵解読の努力が結実した労作である。訳者はその成果を「十三世紀の日本語で書かれた『正法眼蔵』を現代の世界語である英語に翻訳し、読解する、その基準を与えている」と高く評価し、「世界基準の正法眼蔵を提示」するものだと述べている。

私たちは本書で、正法眼蔵を英語で解説したものを、さらに日本語訳で読むことになる。英語化される段階で日本語の法則から解き放たれた道元禅師の言葉は、新たに日本語で表象されたものとなり、そこから道元禅の教えの本質が立ち現れてくる。

巻末に英文とその日本語訳、原文を対照できるテキストを収載している。

定価3520円、春秋社(電話03・3255・9611)刊。

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